昨夜はかなり陰惨な映画を観ました。
「馬小屋」です。
湖畔の別荘を訪れた五人の男女。
そこへレザーマスクをかぶった大男が襲います。
麻酔銃を撃たれて昏倒した五人を、ボスが待つ馬小屋へ。
五人はそれぞれ別の馬小屋に入れられ、ボスから調教を受けます。
うるさい男は舌を切られ、反抗的な男はつま先立ちでやっと息ができるくらいまで首をくくられつるされたまま一晩放置されます。
そうやって調教した男女は梱包され、船荷として出荷されます。
梱包された箱には、LIVE ANIMALと書かれています。
全体的に画面がざらざらした印象で、実話をもとにしたのかな、と思うほどリアリティーがあり、しかも実話ならではの冗長さもありました。
しかし、実話ではないようです。
南北戦争以前の米国やギリシャ・ローマなどでは、かつておそらくこの映画のようなことが日常的に行われていたと思われます。
「ルーツ」というドラマで、反抗的な黒人奴隷、クンタ・キンテが見せしめのために片足の足首を切断されるシーンは子ども心に強い印象を残しました。
今も、闇の組織が人身売買を行っているでしょう。
大日本帝国も従軍慰安婦を人さらい同様に集めたとか。
但し、軍の関与はなかったとか、慰安婦自ら志願した、とか、色々と大日本帝国に大した非はなかった、という意見も多いようです。
しかしいずれにしたって、朝鮮半島から買春目的で女性を集めたことに違いはなく、醜い言い訳をしても己の首を絞めるだけのような気がします。
そういう観点から考えると、この映画はショッキングなホラーというよりも、人間が営々と続けてきた日常的ないとなみ、そして今は地下に潜って行われている営みを告発する映画と受け取ることができます。
人間誰でも、そういう状況に置かれれば、喜んで他人を虐待してしまうもの。
そして調教された側は、恐怖に支配され、主人の言うことをなんでも聞いてしまうもの。
私たちは、その怖ろしい現実から目をそらせるわけにはいきません。
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