2009-11

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思想・学問

破滅

世界の破滅という観念は、どこか人を浮かれさせるようですね。 私は少年時代、よく世界の破滅を夢想して、独り、悦に入っていました。 前世紀末、ノストラダムスの予言に浮かれてみたり。 平安貴族は末法の世を恐れたり。 ナチは「我々は世界を焼き尽くす」と豪語してみたり。  核戦争が起きて世界が破滅する物語は引きも切りません。 ところが最近、中年になって、またもや、世界の破滅を夢想するようになりました。そのスペクタクルに遭遇してみたい、と。しかも、自分ひとり、生き残るつもりなのです。馬鹿馬鹿しいことですね。 精神病による妄想と言ってしまえばそれまでですが、私の夢想は、もっと切実なのです。
映画

シルク

去年公開された台湾のホラーSF「シルク」をDVDで観ました。 江口洋介がマッドサイエンティストの役で出ていますが、不気味な感じがなくて、拍子抜けしました。 幽霊を捕まえて監禁する、という発想は今までのホラー映画にはなくておもしろいと思いましたが、膨らませが足りないように感じました。シルク 江口洋介,チャン・チェン,チェン・ボーリン,バービィ・スー,カリーナ・ラムエスピーオー
文学

木枯らし

木枯らしが吹きましたね。いよいよ冬が近づいています。 ボードレールは、「人工楽園」で「カナダのような冬、ロシアのような冬であればあるほどよい。それだけ彼の住む巣は暖かく、甘美に、いとしいものとなろう」と、寒い冬を賛美しています。 極寒のなか、暖かい部屋でくつろぐのは至福のひと時ですね。 本朝では、蕪村が、「屋根ひくき宿うれしさよ冬ごもり」と詠んでいます。 見事なまでの、ボードレールとのシンクロですね。 さらに、三好達治は、 「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」 と、歌っています。 18世紀の俳人、19世紀ヨーロッパの詩人、近代の日本詩人と、冬ごもりを幻想的なもの、暖かいものとして憧憬するその精神は、脈々と続いています。 冬ごもりの幻想的風景は、家にこもることを介して、己れの内面に深く沈滞するかのごとくです。 冬は酒が旨くなる、というのも、この冬ごもりの暖かさに由来すると言えましょう。 人工楽園 (角川文庫クラシックス)与謝蕪村の本三好達治
精神障害

冬季うつ

冬季うつという症状があるそうです。 その名のとおり、冬になると症状が悪くなるうつです。 北欧なんかには多いそうです。 今日は急に寒くなって、調子が悪いです。 躁鬱病というのは、完治する、ということがないようです。よくなっても、ちょっとしたきっかけでまた悪化する。かさぶたができたりはがれたりするイメージでしょうか。今、うっすらとかさぶたができてきた、という感じです。
文学

少女の友

昨日は弥生美術館に「少女の友」展を観に行きました。 「少女の友」は、明治41年から昭和30年まで、実業乃日本社から刊行されていた少女向けの雑誌です。 美しい表紙、川端康成や吉屋信子などの充実した執筆陣による、少女の心のひだや女学生生活を描いた小説、さらには投稿欄や付録の充実など、今見ても豪華な内容です。 今でも、年配の方のみならず、多くの若いファンを惹きつけています。 ただ、戦時中、軍の広報雑誌のようになってしまったのは、展示を見ていても痛々しい感じがしました。 時代が暗ければ暗いほど、少女は幻想の美に酔いたいものなのに。 美術館には、和服の女性や女子高生など、多くの女性が訪れていました。 中年男の私は、場違いに苦しみながら、美しいイラストや時代背景の解説に酔いました。『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション実業之日本社,遠藤 寛子,遠藤 寛子,内田 静枝実業之日本社
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