2010-08

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文学

プロレタリア

少し前ですが、不景気の影響か、「蟹工船」が若者に人気を博しましたね。 恥ずかしながら、私もいい年をして初めてプロレタリア文学に接しました。 感想は、ああそう、というところでしょうか。 宗教であれ政治思想であれ、私は主持ちの文学を好みません。 そのせいか、国文学では中世説話を最も苦手とします。 しかし最近、プロレタリアを標榜する短歌や俳句、川柳に接する機会があり、新たな発見をしました。 けっこう面白いのです。 宮城の つい目のさきの 闇市の 人間像を凝然とみる 市の悪 むしろ絢爛たるいのち 太陽ここに明日も照るべし いずれも坪野哲久の作です。 闇市のなかにもたくましく生きる庶民が描かれています。 この歌人は、戦前治安維持法違反で検挙されているそうです。 射抜かれて 笑って死ぬるまで 馴らし  堤 水叫坊 手と足を もいだ丸太に してかえし   鶴 彬 川柳もけっこう頑張っています。 川柳はプロレタリアというよりブラックユーモアですね。手足を失った体を丸太に譬えるなんて。きついですねぇ。    プロレタリア文学者というのは一般に辛い現実を描きだすのが上手です。 しかし不思議なことに、明治4...
思想・学問

引きこもり

政府が新卒採用について、卒業後3年まで新卒扱いにしろ、と各業界に圧力をかけましたね。 新卒の幅を広げただけで、新卒ばかり採用する慣行には手をつけませんでした。 最近の調査で、引きこもりの平均年齢が30歳を超えたことが判明しました。 理由は二つ。 一つは十代から引きこもってたやつが十年以上引きこもっていること。 二つは就職したものの、仕事になじめなかったり、途中で病気になったりするやつが増えたこと。 他人事ではありません。 私も就職して15年目に精神疾患を発症し、長いこと仕事を休みました。 幸い職場復帰できましたが、中年引きこもりになっていたかもしれません。 老親の年金を頼りに引きこもっていた40代半ばの引きこもり男性が、親の死をきっかけに収入が途絶え、ホームレスになってしまった、という話を聞きました。生活保護を申請すればよさそうなものですが、役所で色々聞かれるのがいやで、役所に行っていないそうです。 豊川市では、引きこもり歴15年の30歳の男が、4月、父親にインターネットの接続を解約されたことを恨んで両親、弟、義理の妹、姪を次々に刺して家に火を放つ、という凶行に及びました。父親と姪が亡...
社会・政治

飛び回る鳩

民主党代表選挙の行方、鳩山前総理が調整に乗り出して、混乱してきましたね。 普天間でも子ども手当でも、前総理が何か発言するたびに混乱が生じるという、奇特なキャラクターです。 政治家なんかにしておくのはもったいないですね。 夫人と一緒に夫婦漫才でもやれば、よほど国民のためになるというものです。 このたびの調整、小沢議員を要職につければ収まるかのような報道がなされていますが、気は確かか、と問いたくなります。 つい三か月ほど前、政治資金規正法違反を疑われて幹事長を辞職したばかりです。 その問題が片付かないうちに、代表選挙に立候補するだの、要職につけて出馬を辞退させるだの、小沢議員という人はポストがもらえればどうにでもなるんでしょうか。 そんなことはありません。 小沢議員は師匠の田中角栄元総理や金丸信元副総裁と同様、犯罪すれすれの行為を犯してまで国のために働く立派な政治家です。しかも二人の師匠とは違い、疑惑が持ち上がってもバッシングを受けても梃子でも議員辞職しない強い信念をお持ちです。 国民の前で堂々と出馬宣言した大物政治家が、ポストをちらつかせたからと言って、やっぱりやめますなんて、どの面下げ...
思想・学問

奇妙

私はこの頃、世の中のなにもかもが奇妙なものに思えてしかたありません。 物語というのは、化け物が出てきたり、むやみに人が死んだり、現実にはあり得ないような熱い恋愛がくり広げられたりします。 物語の親ともいうべき神話は、奇妙な話のオンパレードです。 美術も、ガラクタとしか思えないようなものを並べたり、ディスプレイを並べて点滅させたり、奇妙です。 科学というのも、宇宙空間を光の速さで移動すると時間の流れが遅くなり、地球に帰還すると浦島太郎状態になるとか、異次元の存在とか、奇妙な説を展開しています。 サラリーマンが行っている仕事も、たいして良くないものをさも素晴らしいもののように宣伝して売りつけたり、儲かってもいないのに書類上のカラクリで儲かっているようにみせかけたり、死ぬほどどうでもいいことをがん首そろえて話し合い、半日つぶして結局継続審議になったり、上司の下手くそなゴルフをナイスショット、とか言って手を叩いて喜んで見せたり、なんだか奇妙です。 文学者にいたっては、古典の写本で新しい発見があり、どこが違うかと言ってたった1行、けりがなくて体言止めだ、とか言って大騒ぎしたり、考古学者は自分で遺...
映画

ホテルチェルシー

DVDで「ホテルチェルシー」を観ました。 新婚旅行でニューヨークにやってきた夫婦がホテルチェルシーに宿泊するのですが、妻が寝ている間に何者かに夫が殺されてしまいます。 妻は泣きながら刑事に証言します。 その証言の場面や、新婚旅行に旅立つ前の夫婦の様子がコマ切れに映し出されます。 警官かと思いきや偽物だったり、暴漢かと思いきや警官だったり、赤の他人かと思いきやかつての恋人だったり、複雑な人間模様が息をもつかせぬスピードで加速していきます。 だまされた、という意味では「アフタースクール」以来、見事にだまされました。 意外な結末というのは、この映画のためにある賛辞です。 疑り深い方、ぜひご覧ください。ホテルチェルシー 長澤奈央,鈴木砂羽,ヒロ・マスダエースデュースアフタースクール 大泉洋,佐々木蔵之介,堺雅人メディアファクトリー↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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