2010-08-03

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思想・学問

男らしさ

少年に対して、「男は男らしく」という躾は、よくなされるところです。 男らしい、とはいかなることでしょうか? よく気は優しくて力持ち、と言います。 全般的に、スポーツ選手や軍人・警官などがイメージされているように思います。 近頃流行りの草食系とかお弁当男子とかいうのは、古典的な男らしさから遠ざかっているように思います。 石器時代、狩猟をする男と子育てをする女というふうに分業がなされ、男は男らしさ、を獲得していったのだ、という社会学者がいます。 まことにもっともらしい論です。 しかし男は、生まれつき男らしいわけではありません。 社会規範として、男らしくあることを少年に求めるから、少年は誉められたくて男らしく振る舞う、というのが最初でしょう。 活発で、運動ができ、勉強もでき、将来は軍人になって帝國にご奉公する、というのは戦前のわが国において求められた少年の理想像でした。 そのような少年像を追い求めたのが、大正初期創刊の「少年倶楽部」でした。 そしてそれとは反対に、明治末期創刊の、感傷的な文学少年向けの「日本少年」が芸術を愛したり人生に悩んだりする少年を描きました。 少年が多様な生き物であるこ...
文学

夏の句

暑い日が続くと、外に出るのも勇気がいります。 炎天へ 打って出るべく 茶漬け飯 国文学者、 川崎展宏の句です。 打って出る、という表現が、ひどい暑さを物語っていますね。 茶漬け飯は、冷たい茶漬けとみました。 冷たい茶漬けで水分を補給し、体を冷やし、飯のパワーで一気に炎天をすすんで行く、勇ましいような滑稽なような句ですね。 次に夏らしく不気味な句。 生者より 亡者に 西瓜ごろごろす  小内美邑子 向日葵や 信長の首 切り落とす   角川春樹 亡者は死してなお、強い食欲を持っているのでしょうか?夏は魑魅魍魎が跋扈する時期です。そんなこともありましょう。 日の出の勢いの絶頂で命を絶たれた信長。夏の盛りを、夏の花の王として咲き誇る向日葵を、信長の首にたとえているのでしょうか。 どちらも、じんわりといやな汗が出るような気味悪さがあります。 今度は軽く、黛まどかの句です。 兄以上 恋人未満 掻氷 水着選ぶ いつしか彼の 目となって 女性らしい句ですね。 私は俵万智の短歌はどうにも受け付けないのですが、黛まどかの俳句は瑞々しくて良いと思います。 情念の強さの違いでしょうかね。 暑い暑いと愚痴をたれて...
社会・政治

下村容疑者のブログ

上記URLをクリックしていただければ、下村容疑者のブログにジャンプします。  幼い乳幼児二人を放置して死にいたらしめるという残虐性と、子育てに奮闘するブログの様子では、同一人物に思えません。 ブログを見ていただければ、膨大な量のコメントが寄せられているのが分かります。 多くは、下村容疑者を責めるもの。また、日本社会の変容に言及するものもあります。 そしてコメント欄は掲示板の様相を呈し、コメント者同士で傷つけあうような、異様な雰囲気になっています。 この事件がもたらした奇妙な居心地の悪さは、どこから来るのでしょう? 母親が育児放棄したこと、離婚前は子煩悩で子育てに熱心だったこと、部屋に戻らず、海水浴をしたり酒を飲んだり遊び呆けていたこと、反省の弁が聞かれないこと、色々考えても、しっくりきません。 他にも児童虐待で我が子を殺した親はいます。 しかし今回の事件は、虐待ではなく、育児放棄。 たぶん死んじゃうんだろうな、でもまあいいか、というような気楽さが感じられます。 この気楽さが、ニュースに対する違和感に通じているように思います。 起きてしまったことはもう取り返しがつきません。 今後の日本で...
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