2010-09-06

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美術

退廃

土曜日に芸大美術館に行き、シャガールの絵に感銘を受けたことは、すでにブログに書きました。 今では何の違和感もない写実から遠く離れたシャガール等の絵画ですが、一時期、ドイツで退廃芸術として迫害されていたことがあります。 ナチは優れた北方民族の芸術は、健康的で分かりやすくあらねばならないと考え、抽象的な芸術を病的退廃として退けたのです。  皮肉なのは退廃芸術論を最初に唱えたのが、ユダヤ人の医者だったことです。 ブダペスト生まれの内科医、マックス・ノルダウは、近代芸術が規格を外れていったのは、急速な近代化による環境の変化のため、多くの芸術家が脳、もしくは眼、あるいは精神の病気に罹ったためだと説きました。そのために精神病患者に絵を描かせ、近代絵画との類似を指摘する念の入れようです。 この説は19世紀末、日本を含む多くの国々でかなり受け入れられたようです。 印象派からダダイズム、シュールレアリスムに至る一連の近代芸術が、多くの伝統的芸術愛好家から蛇蝎のように嫌われていたのでしょうね。  ナチはこの説を援用し、いわゆる近代芸術家は、スラブ人やモンゴロイド等の劣等人種か、そうでなければ精神病だと断じ...
文学

ピーター・パン

子どもは残酷だ、とはよく言われることですね。 新学期を迎えて、小学生の集団登校を見かけますが、一人で三つもランドセルを持っている子がいます。 いじめなのか、あるいは何らかのゲームで負けた罰なのか不明ですが、見ていて気持ちの良いものではありません。 小学生時代、大抵の子は意味もなく虫を殺した経験があるのではないでしょうか。私も蟻を踏みつぶしたりしました。 また、子どもが好むヒーロー物や戦隊物などは、明らかに善とされる側のほうが残虐です。 例えば仮面ライダーでは、ショッカ―と呼ばれる兵隊が大勢出てきますが、仮面ライダーはためらうことなくこれを倒していきます。 ウルトラマンもマジンガーZも敵を殺害することを躊躇しません。 宇宙戦艦ヤマトやガンダムは、まるっきり現実の戦争の焼き直しであり、互いに大量虐殺しあう映像を観て視聴者は喜んでいるわけです。 ヤマトが敵に特攻を行う場面などは、片道分だけの燃料を積んで自殺行為のような沖縄への援軍派遣を試みた戦艦大和とだぶって、まともに観ていられません。 「戦艦大和ノ最期」は壮麗な文語調でこの悲劇を語って見事です。 極めつけが、ピーター・パンでしょうね。 デ...
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