思想・学問 開化先生
近頃怪談話がすっかり廃れてしまいました。幽霊なんていない、神経病だというわけで。そこでこのたび怪談話をしてみようというのは、かえって耳新しいかと存じまして。開化先生方はお嫌いでしょうから、お帰りいただいて。 明治初期、三遊亭圓朝師匠が「真景累ケ淵」を演ずるにあたっての枕で話した言葉です。 文明開化によって妖怪怪異は勢いを失うわけですが、それはすぐに盛り返し、今にいたるも大繁盛しています。 明治時代には大本教や金光教が多いに流行り、千里眼やらこっくりさんやらも大流行しました。 私たちは太古の昔から、妖怪や幽霊と付き合いながら、共存してきました。 それがざんばら髪で洋装になったからといって、長々お住まいの妖怪や神々が消えるわけもありません。 口裂け女に、テケテケに、トイレの花子さんに、ひきこさん。 異界の者は様々な形をとって人間とコンタクトをとります。 これら異界の者は、実在しているわけではないでしょう。 しかし一瞬ごとに滅んではまた生まれ、を繰り返すのがこの世の本態で、その刹那滅を連続する時空間だと錯覚しているに過ぎないと知れば、異界の者の存在を前提に生きてきた私たち人間にとって、それ...