2010-10

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映画

ノンフィクション

昨夜、DVDで奇妙な映画を観ました。 「ノンフィクション」です。 フィクションであるはずのホラー小説がノンフィクションになってしまうフィクションです。 つまり、あるホラー作家が小説を書くと、それが現実になってしまうのです。 そのことに気付いて絶望したホラー作家は、二度とキイボードを打てないように両手の指を切断し、自殺を図ります。 しかし未遂に終わり、精神病院に入院させられます。 ありえない現実に気付いた精神科医が、ホラー作家誕生の秘密を探り、怖ろしい真実を突き止めます。 カナダのホラー映画で、言語はフランス語です。 ケベック州を舞台にしているようです。 あまり期待していなかったのですが、テンポが良く、映像も美しいシーンに適度な残虐シーンが混じって、引き込まれました。 キリスト教の司祭が重要な役割を果たしていますが、悪魔は登場しません。 ただし、悪魔よりも怖ろしい、悪を崇拝するカルトが登場します。 悪魔は一応、顔形の見える生き物っぽいイメージがありますが、悪は混沌としていて、誰でも心の内に持っている上に、その力は強大なので、悪魔以上に恐怖すべきものです。 ただ映像化するために、陳腐とも言...
文学

ワイセツな俳人

「どうもワイセツだからもう一度生やしてください」 男が見てワイセツなら、女が見たら― と私は慄然として、また口髭を培養した。 俳句界きってのダンディな紳士または好色漢、西東三鬼の自伝的作品「神戸」に見られる記述です。 口髭を剃ったら顔がワイセツだと言うんですから、どれだけ好色な人だったのでしょうね。 恋人が35人いたとか、よく知らない看護師に子どもがほしいから種だけくれと頼まれて実際に父になったとか、にわかには信じがたいエピソードが残っています。 かくし子の 父や蚊の声 来たり去る 前述のエピソードを知った上で想像すると、怖いですねぇ。 恋猫と 語る女は 憎むべし 憎むべしだなんて、お上手。猫好きな女とも関係していたようです。 中年や 遠くにもれる 夜の桃 なんとも香り高い、エロティックな句ですねぇ。いい年をしても、女色は止められなかったようです。 趣をがらりと変えて、 水枕 ガバリと寒い 海がある 西東三鬼自ら、この句を得たことで俳句の眼を開いた、と言った句です。 高熱の中、うなされながらひらめいた句というだけあって、どこか不気味な、異界へ通じるような海の迫力が感じられます。 海に関...
社会・政治

仙谷官房長官の答弁

今国会予算委員会における仙谷官房長官の活躍は目を見張るものがありますね。 総理大臣への質問にもさっと手を挙げて颯爽と答えたり。 怒鳴ってみたり、情に訴えたり、質問者に逆に質問してみせたり。 元弁護士で、ディベートの達人だったとか。  ディベートの達人といえば、海部元総理を思い出します。 元総理は、早稲田大学雄弁会時代、海部の前に海部なし、海部の後に海部なし、とまで言われたディベートの名手だったそうです。  ディベートというのはおのれの思想信条に関係なく、与えられた立場に立って白を黒と言いくるめるような一種のゲームです。 だから海部元総理の言葉にも、仙谷官房長官の発言にも、弁舌こそ爽やかですが、説得力がないのでしょう。 一方鈍牛とかあーうー宰相とか言われた大平元総理は、弁論術はまるでダメでしたが、発言をテープ起こしして、あーとかうーとか言うのを削除すれば、直しようがない完璧な文章になっていたそうです。 考えながらしゃべるから、あーとかうーが入っちゃったんでしょうね。 小泉元総理は言い切りの断定口調で人気を博しました。 自分に抵抗する勢力は全て抵抗勢力だ、とか、イラクのどこが危険な地域なん...
社会・政治

留学

今年日本から二人もノーベル賞受賞者が出たことは、誠に喜ばしいことですね。 件の二人は、日本社会に理系重視を、日本の若い研究者に海外で武者修行することを、求めていました。 我が意を得たり。 まったく同感です。 日本の学術研究予算は、平成16年度の国立大学等の法人化以来、目先の利益を追うような研究に多くの資金を投入してきました。 これでは日本沈没です。 一方中国は欧米先進国に多くの留学生を送り、急速に科学技術の力をつけてきているやに聞きます。  日本もかつて、明治初期、多くの有為の若者が、国の期待を背負って欧米各国に留学しました。 またかつての清国は、多くの留学生を日本に送り、彼らは革命思想にかぶれて帰ってくるばかりか、ついには清国を倒してしまう、という本末転倒のような結果になりました。 しかしそれでも、周恩来が日本留学を望んだり(入試で失敗して帰国)、汪兆銘や魯迅など、後にそれぞれの立場で活躍する人材を輩出したり、それなりの成果はあったようです。 むしろ8年前に中国人留学生ばかり受け入れて、それがほとんど東京で就労していたことがばれてつぶれてしまった酒田短期大学の例のように、現代の中国人...
社会・政治

チリ鉱山作業員救出

チリの鉱山落盤事故で、長期にわたって閉じ込められている作業員の救出作業が、いよいよ始まるらしいですね。  さぞ辛かったことでしょう。  私は以前、東京都現代美術館で奇妙な作品に接したことがあります。 完全な闇を演出した小さな空間に入っていくのです。 その空間自体が美術作品だというのです。 解説では、真なる暗闇と無縁となった現代人は、その真っ暗な作品世界で、最初は不安を、やがて安心をおぼえる、というのです。 しかし私が感じたのは、心からなる恐怖、一種のパニック発作のようなものでした。 一秒もいられない、と思いました。 作者も作品名も覚えていません。 また、被験者を囚人と看守に分けて被験者がどういう行動をとるかを描いた実話に基づいた映画「es」では、反抗的な囚人を懲らしめるために、真っ暗な箱の中に何時間も閉じ込める、という拷問を行っています。 チリの鉱山で閉じ込められていた空間には灯りがあり、また大勢で励まし合うこともできたことから、私が体験した現代アートや「es」での拷問とは異なるでしょうが、それでも狭くて薄暗い空間に数カ月も閉じ込められるということが、どれだけ人の精神を傷つけ、体力を消...
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