2010-10

スポンサーリンク
映画

フェーズ6

今年4月にロードショー公開された映画「フェーズ6」をDVDで観ました。 フェーズ6とは感染症が世界的に流行し、人類に危機が訪れる状況を意味する段階のことです。 感染すれば致死率100%のウィルスが大流行し、感染していない兄弟とそれぞれの恋人4人が、兄弟が毎夏訪れていたという思い出のビーチを目指して何日も車を走らせるロードムーヴィーです。  計画では、閉鎖されたホテルにこもってウィルスが死に絶えるのを待とう、ということですが、事実上は思い出のビーチに死にに行くというのが本当でしょう。 途中、何人かの生存者に会いますが、みな絶望してニヒリズムに襲われています。 そして旅をともにする4人も、全員がビーチにたどりつけるわけではありません。 感染が知られれば、置き去りにするまでです。 感染した他人を銃で脅して車から降ろし、置き去りにしながら、おのれが感染したとわかると連れて行ってくれと哀願する様は、人間の生きたいという本能を描いて見事です。  感染症パニック映画でありながら、映像の趣は淡々とした旅情あふれるロードムーヴィーに仕上がっており、ショッキングなシーンが苦手な向きにはお勧めです。 娯楽作...
思想・学問

ちょんまげ

昨夜「水戸黄門」の新シリーズを見ていて、ずいぶん太くて立派なちょんまげだなあと不思議に思いました。幕末の侍の写真を見ると、頼りないほどまげが細く、さかやきの部分が広いんですよねぇ。黒澤明の「影武者」なんかは、不自然なほど細いまげでしたが、きっと実際は現代人が思うより細かったんじゃないでしょうか。時代劇のまげが立派に過ぎるんだろうと思います。歌舞伎の鬘の影響ですかねぇ。いずれにしろ、文明開化とともに、日本人はちょんまげを捨て、お相撲さん以外はざんばら髪へと移行しました。お隣、李氏朝鮮においても、日清戦争後、日本が朝鮮最初の憲法と言われる洪範十四条を押しつけて、断髪令が施行されました。日本とは違った、伸びるに任せた長い髪を束ねて髷を結っていたのを、西洋風の髪型にしろ、というわけです。日本において、侍は廃刀令には激しく反発しましたが、ざんばら髪はわが国ではそんなに反対されませんでした。しかし李氏朝鮮においては、断髪令は強烈な抵抗にあいます。私の髪を切るならまず首を切れ、と叫んだ学者がいたとか。さらには髪を切ったことを恥じて自殺する者が後を絶たなかったとか。身体髪膚これを父母に受く。あえて毀傷...
散歩・旅行

コスプレ

今日は千葉市中心部を散歩しました。 陽射しが強烈で、大汗をかきました。 10月とは思えません。 途中、千葉城に立ち寄りました。 石段を登っていくと、紫色の頭が見えました。 なんだろうと登っていくと、奇妙な格好をした若いやつらが、大勢で写真を撮ったり談笑したりしています。 看板があって、コスプレ愛好者の集まりを開いているが、一般の公園利用者には迷惑をかけないようにします、とありました。 忍者やら武将やらお姫様やら船乗りやら。 いずれ劣らぬ派手な、しかし安い衣装に身を包み、判で押したように人類にはそういう色の髪はあり得ませんというような、みょうちきりんな鬘をかぶっていました。 そして少々見栄えの良い女の周りには、これも判で押したように薄汚いジーンズをはいてチェック柄のシャツを着た青年中年が、巨大なカメラを構えているのでした。 写されたいやつは妙な安っぽい格好をして、写したいやつは薄汚い格好、対比が見事でした。 それぞれアニメだかゲームだかのキャラクターをかたどっているのでしょうが、私のようなおじさんにもわかる、シャア少佐やラムちゃんやメーテルはいませんでした。 知らずに訪れた千葉城公園で面...
文学

諦め

昨夜、NHKの日曜美術館の上村松園の特集番組で、彼女が使っていた絵の具が紹介されていました。 強烈な赤の絵の具を見て、ふいに、ある歌を思い出しました。 ちょうど、プルーストが紅茶にひたしたマドレーヌを食べて、はるか昔の記憶を鮮烈に呼び起されて、「失われた時を求めて」を書き始めたように。  草わかば  色鉛筆の赤き粉の  ちるがいとしく  寝て削るなり 北原白秋の歌です。 私はこれに13歳のときに初めて接し、自分は決して歌を詠むまい、と決めたのでした。 この歌に感銘を受けながら、同時にこのようなレベルの歌を詠む才は自分にはないことを、思い知らされたのです。  同じように、17歳の時に村上春樹の「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を読んで、自分が小説を書く意味はないな、と思いました。 こんな小説を書く人がいるのに、自分がくだらぬものを書いても仕方ない、と思いました。 しかし13歳の時との違いは、書くまい、と決めはしなかったことです。 それでくだらぬものを書いては出版社に送るということをして、二冊、世に問いましたが、ほぼ黙殺されました。 17歳のときの直感は当たっていたことになります...
映画

おいしい食卓

カニバリズムを扱ったB級映画、「おいしい食卓」を観ました。 予算が少ないのも分かるし、狂気に満ちた、しかし美しい映像を撮りたかったことも分かるのですが、単なる安っぽいホラーに終わっています。 役者が下手だし、説得力もない。監督のセンスは悪くないと思いますが、いかんせん技術がない。レンタルで100円でしたが、それも惜しいような作品でした。  同じカニバリズムを描いた映画でも、名作「悪魔のいけにえ」シリーズがいかに素晴らしかったのか、この作品を観て痛感しました。おいしい食卓 永岡久明ティーエムシー悪魔のいけにえ 特別価格版 マリリン・バーンズ,ポール・A・パーテイン,ガンナー・ハンセンHappinet(SB)(D)悪魔のいけにえ2 デニス・ホッパー,キャロライン・ウィリアムズ20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
スポンサーリンク