2010-11-03

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社会・政治

絶対平和

尖閣諸島の問題が曖昧なうちに、今度はロシア大統領の国後島訪問ですか。 いやになりますね。 今回は駐露日本大使を素早く帰国させましたね。 召還ではなく、説明を聞くための一時帰国命令だと言っていましたが、ロシアに帰る日時が未定とあっては、事実上の召還とみなしてかまわないでしょう。 一般に、大使召還は戦争の一歩手前と言われますから、柳腰外交を掲げる民主党政権にしては勇ましいですね。 これで前原外務大臣も男を上げたというものでしょう。 戦後数年間、石原莞爾や保田與重郎が絶対平和ということを説きました。 二人ともどちらかというと勇ましいイメージで、不思議な感じがします。 石原莞爾は憲法9条を人質に、やがて訪れる米国からの再軍備圧力にもめげず、寸鉄も帯びずに世界平和を達成せよ、と言ったとか。 保田與重郎は平和は目的ではなく、生活している状態が平和なのであるから、自然の恵みに従って田畑を耕し、自然と一体となって暮らせばそれが平和で、平和に国家も主権も関係ないので、日本の古の生活と無抵抗の精神を貫くことが絶対平和だ、と言っています。 倉橋由美子が反核平和教、司馬遼太郎が念仏平和主義と揶揄した、瀕死の状...
文学

貴女流離

いつの時代も、人はユートピアがどこかに在ると信じ、その地を求めてきましたね。 明治の近代化以降、多くの日本人が一旗挙げようと、アメリカやブラジルに渡りました。 満州に渡ったひともいたでしょう。 しかしそれらは、言わば経済上のやむにやまれぬ理由から。 松尾芭蕉や種田山頭火が日本国中を旅したり、西行法師が京から離れないながら、風雅の世界に魂が遊離していたのとは自ずと違いましょう。 江戸時代、上州で日野大納言資枝卿の息女、衛門姫が捉われました。 6年前に歌枕を訪ねると言って京都の屋敷から家出したことが判明したそうです。 当時、公家の姫が6年も放浪すれば、どういう目にあったかは、おおよそ見当がつきます。 歌を何首か詠んでいますが、意味不明です。 おそらく錯乱状態になっていたのでしょう。 この後どこかの寺に入って尼になったとも、上州の宿場町で飯盛り女になったとも。 京都で静かに暮らしていた姫が、歌枕を訪ねて放浪の旅に出るとは驚きです。  人には、ここではないどこか、もっと自分がしっくりくる居心地の良い場所があるのではないか、という夢想を楽しむ悪癖があるように思います。 それが叶えられないから、人...
映画

ドッグヴィル

昨夜、ニコール・キッドマン主演の「ドッグヴィル」を観ました。 約3時間の大作でしたが、長さを感じさせない、よくできた心理劇でした。 時代背景は1920年代でしょうか、ギャングに追われる女、グレースが、山の中の小さな村、ドッグヴィルに逃げ込みます。  村人は集会を開き、二週間グレースを各家で労働させて人柄を見極め、かくまうかどうか決めよう、ということになります。 二週間後、グレースは村人に気に入られ、村人の仕事を手伝いながら、のんびりと牧歌的な生活を楽しみます。 しかし、グレースの美貌と寛容の精神が、かえって村人たちの反感をかうようになります。 居心地の悪くなったグレースは逃亡を図りますが、村に帰されてしまいます。 それどころか、逃亡防止に首輪をつけられ、首輪には長い鎖の先に重りまでつけられて、重りを引きづりながら生活するよう強制されます。 ラストは意外ではありませんでしたが、グレースの人間性もまた、ドッグヴィルの人々と変わらないのだということを実感させます。 極端に簡素な舞台装置は能舞台に、耳障りなほどしつこいナレーションは能の地謡に通じているように思いました。 人物を型にはめて描く手...
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