2010-11

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文学

憂国忌

今日は憂国忌ですね。 あれから40年。 三島由紀夫は戦後の日本に絶望し、自衛隊に決起を促した後、それがかなわぬと知るや、森田必勝を伴って割腹自殺をとげました。 しかし三島由紀夫が求めた美しい日本は、過去にも現在にも、そしておそらく未来にも存在し得ない理想郷。 それがかなわぬ夢だということは、三島由紀夫自身がよく知っていたに違いありません。  彼は張りぼての城のような、作り物めいた耽美的な文学世界を築き上げました。 おのれの作品だけでは満足できず、この日本国をも、自らの美意識に従う張りぼての美的国家に変化させようとして、失敗しました。 しかし失敗は予想のうち。 失敗した後は自らの人生を美的作品に仕立て上げるため、割腹という方法で自死を遂げたのでしょう。 いわば、美の道化。 彼が道化であったことは、「仮面の告白」を読めば自明です。 そしてそれは、彼が忌み嫌った太宰治の「人間失格」となんとよく似ていることでしょう。 彼はどこまでいっても文学者で、決して政治の人ではありませんでした。 彼は見事に美の道化を演じきった、不世出の文学者でした。 不幸なことに、彼の政治的主張は、ついに入れられることは...
精神障害

凡人

復職してそろそろ7カ月になりますが、病状は非常に安定しています。 落ち込むこともないし、上がることもない。 不安は朝方少し感じますが、ひどいときは頓服の抗不安薬ワイパックスを飲んでしのいでいます。 他に、抗うつ剤としてジェイゾロフトとリフレックスとドグマチール、抗躁剤としてリーマス、睡眠導入剤としてサイレースを飲んでいます。 休職中は頻繁に薬を変えましたが、今はいつも同じ処方です。 今の薬の組み合わせが合っていると、精神科医が判断したのでしょう。 リワーク3カ月から復職7カ月にいたるまで、同じ薬です。 こんなに長く薬が変わらないのは、発症以来初めてです。 きっと良い兆候なのでしょうね。 発症してから、私の人生観は変わりました。 文学新人賞などへの応募を繰り返していたのですが、そういうことに興味がなくなりました。 毎日働いて、給料をもらう。 ボーナスをもらったら少しだけ贅沢をする。 かつて毎日飲んでいた酒も、今は週末のみ。 週末は陽気が良ければふらふらと街に漂い出すし、悪ければDVDを観たり、本を読んだり。 あらゆることが小さくまとまりだしたように思います。 それはちょっと悔しいような気...
思想・学問

お国訛り

私は就職と同時に東京から千葉に来たのですが、まず驚いたのは、房総弁というか千葉弁というか、千葉県独特の訛りです。 千葉県は東京都と隣接していますし、高校や大学には千葉から通っている友人がたくさんいて、みな、訛りはありませんでした。 しかし千葉市よりさらに東京から離れると、明らかな訛りがあるのです。 例えば、おっぺす。 なんだか分かりますでしょうか。 押す、という意味です。 あがっべおーはどうでしょう。 風呂などから上がりましょうという意味です。 語尾にだっぺをつけたり、だおーをつけたりします。 東京方言で語尾につけるところのねやさ、よに当たるものと思われます。 日本は狭いながら地方色が豊かで方言も色々です。 一時、共通語の普及が方言を駆逐するような言われ方をしましたが、むしろ今は、テレビタレントなどが出身地の方言を使うことで人気を博したり、バラエティー番組でさまざまな方言を取り上げたりして、方言は地域文化の代表というイメージがあります。 弘前大学の言語学者が全国をくまなく調べたところ、いつも共通語を使う人は11%、いつも方言を使う人は15%、残りの74%は場所や状況によって共通語と方言...
思想・学問

死への存在

北朝鮮が韓国の島を砲撃しましたね。 二名の死者が出たとか。 金王朝はやりたい放題。 第二次朝鮮戦争に発展しなければよいのですが。  そこで、死ということを考えてみたいと思います。 生物はいずれ死ぬ運命にあるわけですが、人間だけが死を認識し、恐れます。 その恐怖を和らげようとしたのか、キリスト教やイスラム教では最後の審判で人間は生き返り、天国へ行けると説きました。 仏教でも、極楽往生とか、輪廻転生とかを説いて、死は全ての終わりではない、と説明しています。 神道では、イザナギが死んだイザナミに会いたくて黄泉の国に行く神話が描かれ、あの世とこの世が地続きになっています。 しかし近代に至って、死は絶対的な終わりであり、虚無であるとする考えが支配的になってきました。 そうなると、宗教が教える死後存在ははかないものになってしまいます。 ハイデガーは、「存在と時間」で、人間を死への存在と規定しました。 死にゆく存在という意味ではなく、いつも死を意識せざるを得ない存在という意味です。 青春を謳歌する生そのもののような光り輝く少年少女たちでさえ、死を考えたことがない、という者はごく少数でしょう。 人間は...
社会・政治

Kingsoft

先ごろ購入したDELLコンピュータは格安のため、マイクロソフトオフィスがついておらず、替わりにキングソフトオフィスがついていました。 しかしこれが、マイクロソフトオフィスとそっくり。 ていうか同じ。 マイクロソフトオフィスと互換性もあるのです。 Kingsoft WriterはWordと、Kingsoft SpreadSheetsはExcelと、Kingsoft PresentationはPowerPointと、ほぼ同じで価格が7分の1なのです。 パッケージのデザインまでそっくりです。 唯一劣っているのはAccessに相当するソフトがないことだけ。 私は家でAccessを使うことはないので、そういうソフトがなくても問題ありません。 キングソフトは中国の会社で、マイクロソフトとそっくりで互換性があることを堂々と宣伝し、急速にシェアを伸ばしています。 不思議なのは、マイクロソフト社が著作権等を主張してキングソフト社を訴えようとせず、黙認しているところ。 このまま放置すれば、価格が7分の1では勝負になりますまい。 それともブランド力でシェアを維持できると考えているのでしょうか。 消費者にとっ...
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