2011-03

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美術

金子国義の魔道

私は高校生の頃、サド侯爵の狂気じみたアンチ・キリストの文学作品に熱狂しました。 それはことごとく後にサド裁判で有罪となる渋澤龍彦訳のもので、金子国義の挿絵が挿入されていました。 当然のように、私は金子国義の絵画作品にも熱狂することになります。 「かもめ」です。 妖しいエロティシズムが感じられます。 「悪徳の栄え」です。 アンチ・キリストの象徴でしょうか。 「火の番をする女」です。 嫌になってきましたか?「股のぞき」です。最後に最も有名な、「アリスの画廊」です。 サド侯爵の文学同様、濃い感じの作品群で、それは幻想的ともユーモラスとも感じられます。  私はこの魔道へ足を踏み外しそうになりましたが、大学入学後、嫌と言うほど古文漢文を勉強させられ、魔道に落ちることはありませんでした。  しかし今でも時折、魔道への誘惑に囚われることがあります。 そんな時は逆に、思いっきり魔道へ導く書物や絵画に触れることにしています。 そうすると、くどい料理はすぐ飽きるのと同様、飽きてくるのです。 そういえば渋澤龍彦は稲垣足穂をわが魔道の先達とよんでいましたっけ。 稲垣足穂は「少年愛の美学」で日本文学大賞をとり、...
社会・政治

ゆすりの名人

米国務省日本部長で元沖縄総領事のケビン・メア氏が沖縄をゆすりの名人、と評したことが問題になっていますね。 その他にも日本国憲法9条を変える必要はないし、変わるとも思えない、改憲で日本は米軍を必要としなくなり、米国にとってはよくない、と言ったとか。 つまりいつまでも日本は米国の軍事的属国であってほしいということでしょう。 戦後、吉田ドクトリンという国防政策を一貫してわが国は維持し続けました。 軽武装、経済重視で、防衛は日米安保つまり米国に頼り切る、という政策ですね。 これが奏功して、経済大国だけどふさわしい軍事力は持たない、という国の形が今も続いています。 非武装中立を叫んでいた社会党でさえ、村山冨市総理誕生の際には吉田ドクトリンを踏襲し、一部から左翼政権などと揶揄される民主党政権もこれを維持しています。 改憲論者で有名な中曽根元総理も安倍元総理も日米同盟を堅持することを明言していました。 つまり右も左も防衛は米軍に頼ることを前提としているわけです。 吉田ドクトリンというのはそれほどわが国にとって素晴らしい政策だったのでしょうかねぇ。 当の吉田茂自身、日本の安保政策をこれほど長く支配し続...
映画

2012

パニックSFの巨編「2012」をDVDで鑑賞しました。 2012年に地殻大変動が起こり、大地震や大津波、火山噴火などで人類絶滅の危機にさらされる、というマヤ文明発祥の終末論をそのまま映画にしたものです。 米国大統領科学顧問の若き地質学者が2009年に地殻大変動不可避の報告を大統領に上げ、世界は協調してノアの箱舟のような巨大な船を用意してその時に備えます。 船は米国船、ロシア船、中国船、英国船、フランス船、イタリア船、ドイツ船、カナダ船、日本船の9隻です。  一目で分かるとおり、G8+中国の9隻で、世界のお金持ちクラブの会員だけが生き残れるのです。 総数40万人。 この船で地殻変動が一段落するまで海でしのごうというお話です。 米国大統領を始めとする各国首脳の苦悩と、生き残りをかけて奮闘するある米国人家族のアドベンチャーを同時並行的に描きます。 2時間半の大作で、飽きさせない娯楽作に仕上がってはいるのですが、ハリウッドらしい子どもっぽい人類愛が全編を貫き、白けさせます。 一人が危機に陥ったからといって船の出港を停め、40万人の命を危険にさらすなど、指導者としてあるまじき行為がヒロイックに描...
社会・政治

捐納(えんのう)

民主党政権になって、政治と金の問題に厳しく対処するのかと思ったら、小沢議員が党員資格停止になったくらいで、身内には甘いようです。 前原前外務大臣も大臣を辞することで野党からの追求から逃れたいご様子。 政治は権力抜きには成り立ちませんから、権力に摺り寄るお金持ちは後を絶たず、お金が欲しい権力者も枚挙にいとまがありません。 江戸時代、旗本や御家人は生活に窮すると、旗本株や御家人株を売ることがけっこうあったとか。 これは違法行為ではなく、認められていたようです。 中国でも古く捐納制度というのがありました。 要するに民間人が役人になるための資格を金で買うのです。 これは国家の制度で、贈収賄とは全く違います。 お金持ちなら科挙に受からずとも特権のある上級役人になれたわけです。 この制度は中華民国の成立まで続きます。 悪い面ばかりでなく、良い面もあったようです。 地方の有力者が役人になることで地方の実情を知ったりすることと、なにしろ税収を上げられるということですね。 現在の中華人民共和国では行われなくなったはずですが、縁故採用や身内を出世させるなどの風習はのこっているやに耳にします。 わが国でも小...
社会・政治

長妻VS細川

近頃ニュースをにぎわせている専業主婦の国民年金への切り替え忘れによる年金未納をチャラにしようという厚労省課長通達。 通達を廃止して課長を更迭で終わりにしようとしたようです。 細川厚生労働大臣は前任者が決めたことで知らなかったし引き継ぎもなかった、と言い訳し、当時副大臣だったことをお忘れのようです。 長妻前大臣は負の遺産を断ち切るためには不公平が生じてもやむを得ないと判断し、それは省内はおろかマスコミも含めてオープンに議論したのだから、当時副大臣だった現大臣が知らないはずがない、と反論しました。 面白いですねぇ。 前大臣と現大臣が責任のなすりつけあい。 更迭された課長はたまったものではありません。 民主党が声高に叫ぶ政治主導とは、手柄は政治家に、責任は役人に、ということでしょうか。  大体なんで大臣が判断したと言っているものを課長決裁で済ませ、課長名で通知するんでしょうねぇ。 こうなってくると、厚生労働省幹部が将来問題になることを承知のうえで、大嫌いなミスター年金、当時の長妻大臣を困らせてやろうと、手続きに瑕疵を残したとしか思えませんねぇ。 役所の手続きに疎かったであろうミスター年金は、...
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