2011-05

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仕事

哀愁

しぶい中年男が、背中を丸めて何度も何度も電卓をたたいては、ため息をついていました。 某課の課長補佐、50歳、年収700万円、子どもを私大に通わせ、住宅ローンを払う、真面目な勤労者にして小市民です。 国家公務員及びそれに準じる独立行政法人職員の給与が10%カットされるらしい、との報道を受けて、課長補佐は電卓をたたいたのでした。 何度たたいても、70万円。 「電卓が壊れてるのかと思ったよ」 と、言いながら、年収のうち70万円が失われることを知った課長補佐の背中は、哀愁漂うものでした。 我が家の場合、もっとひどいことになります。 私の収入と同居人の収入を足すと、年収1,000万円は優に越えますから、年間で100万円以上、収入が落ちることになります。 もともとない仕事への意欲が、ますます減退しますねぇ。 なんとか景気を刺激して、上向いてくれないと、給料は下がるばかり。 もっと気の毒なのは一人暮らしをしている新人。 毎月の手取りが15万円くらいでアパートの家賃を払い、スーツやYシャツを買ったら、もうぎりぎりの生活費しか残りません。 彼らに10%削減はあまりに酷ということで、5%になるようですが、...
映画

運命のボタン

キャメロン・ディアス初の本格サスペンスというふれこみの「運命のボタン」を観ました。 でも内容はサスペンス風のSFですね。 ある日、顔が半分焼け爛れた老紳士が現れて、24時間以内にボタンを押せば100万ドルやる代わりに、見知らぬ誰かが死ぬ、という赤くて大きなボタンがついた箱を置いていきます。 それを押すかどうか夫婦で協議した結果、夫は胡散臭いと言って押すことに反対しますが、妻は100万ドルという大金に目がくらみ、ボタンを押してしまいます。 100万ドルは翌日キャッシュで支払われますが、夫婦を訳が分からない不条理な出来事が立て続けに襲います。 前半は謎がからまる不条理劇。 後半からは、どうやら終末論的な、人間を破滅させるかどうかを、老紳士の依頼主が試すため、ボタンのゲームを繰り広げているらしいことがわかります。 この手の作品、ハリウッドでは最近よく作られますね。 キアヌ・リーブス主演の「地球が静止する日」とか、「2012」とか。 破滅という観念は人を浮かれさせるようで、平安時代も末法思想が流行ったし、明治維新前夜のええじゃないか、それに滅び行く武家を描く籠城の末の落城、近くは全共闘の安田講...
映画

パラノーマル・フェノミナン

やっちゃいましたねぇ。 「パラノーマル・フェノミナン」。 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、「クローバー・フィールド」、「レック」、「パラノーマル・アクティビティ」とヒット作を連発し続けたフェイク・ドキュメンタリー。 二匹目どころかもう何匹目だかわからないほどのドジョウがいるのに、また作っちゃいました。 そして私は、性懲りもなく観ちゃって、損した気分です。 まあ、レンタル代100円也ですから、腹も立ちませんが。 ホラー監督のもとに送られてきたという超常現象を撮影した映像を紹介するという体裁のフェイク。 一本目はラブホテルを訪れたカップルを襲う超常現象。 より本物っぽく見せたかったのか、顔にモザイクはいただけません。 役者が顔隠してどうするんですか。 二本目はパワースポットを訪れたおねえさん三人組が奇妙な現象にあうのですが、叫んだりUFOやら岩やらが飛んでいたり、笑いをとるにもお粗末というものです。 フェイク・ドキュメンタリーはもはや流行りを過ぎました。 奇をてらうのは止めて、王道のホラー映画を作ってください。パラノーマルフェノミナン 白石晃士ビデオメーカーブレア・ウィッチ・プロジェク...
社会・政治

G8

フランスでのサミット、原発事故のせいで思わぬ形で日本が注目を集めることになってしまいましたね。 菅総理、明確なメッセージを出せませんでしたが、中曽根元総理を真似したのか、米国大統領の隣を終始キープしていました。 当時の中曽根ーレーガンの厚い信頼関係とはまったく異なるのに、パフォーマンスはお好きなようです。 G8の面子、毎年思うことですが、戦前の帝国主義列強とほぼ同じですね。 これが中国やインドなどは癪に障るんでしょう。 もう何十年も前に国家としてのピークを過ぎた国が寄り集まって偉そうに、といったところなんでしょうね。 近年、中国・インド・ロシア・ブラジルの新興4カ国が集まってG4を開いているとか。 ロシアはG8にもG4にも入って、こすい感じです。 元々はロシアを除く7カ国が経済問題を話し合う場だったのが、冷戦の激化とともに旧共産圏に対抗するための政治的な会議になり、ソヴィエト崩壊後はなんだかよくわかりませんが敵の大将だったロシアを巻き込んでの政治的お祭りになってしまいました。 もうこんな嫌みったらしいお金持ちクラブの会合は止したほうが良いでしょう。 世界の主要国のお歴々と肩を並べて喜色...
文学

梅雨

関東地方は今日梅雨入りだそうですね。 例年に比べてずいぶん早い梅雨入りです。 梅雨というのは多分、季節の豊かなわが国において、最も嫌われている時季でしょうね。 じめじめしているし、外出も億劫だし、春の花や夏のホトトギス、秋の月だのといった、その季節を象徴する名物が冴えないんですよねぇ。 紫陽花と雨ですからねぇ。 近代以降はともかく、古典の部類に入る和歌に、紫陽花や梅雨を読んだ歌が極端に少ないというのも、日本人の梅雨嫌いの表れでしょうか。 もっとも梅雨嫌いは日本人に限ったことではなく、ロシア人の奥さんをもらった友人がいるのですが、その奥さん、梅雨を、絶望的な季節と呼んで帰国し、10月まで戻らないそうです。 数少ない梅雨の歌の中から、比較的有名なものを。 「千五百番歌合」から。 夏もなほ 心はつきぬ あぢさゐの よひらの露に 月もすみけり   藤原俊成  夏であっても心が尽き果てるようなあはれを感じさせるものだ、あじさいの花についた露に澄んだ月の光が宿っているのを見ていたら、といったほどの意でしょうか。 あぢさゐの 下葉にすだく 蛍をば 四ひらの数の 添ふかとぞ見る  藤原定家  日が暮れ...
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