文学 牧水先生
今年の夏は各地で花火大会や祭りが中止になり、なんとなく寂しいですね。 もっとも、人ごみが苦手な私は、花火やお祭りの賑わいは苦痛でしかありませんが。 中止の理由は震災の影響なんでしょうねぇ。 やむを得ざる仕儀というわけです。 野末なる 三島の町の あげ花火 月夜のそらに 散りて消ゆなり 若山牧水が珍しく詠んだ、花火の歌です。 どうということもない歌ですが、なぜか、閑散とした花火会場の景が浮かびます。 もっともそれは、隅田川や江戸川やの、混雑激しい花火会場と比較して、という意味ですが。 北南 あけはなたれし わが離室(はなれ)に ひとり籠れば 木草(きぐさ)見ゆなり こちらは暑さに参って風通しの良い離れでのんびり横になっている風情でしょうか。 今でいえば、休暇をとって冷房を効かせた部屋から一歩も出ずに日を過ごす怠け者の喜びといったところでしょう。 なまけつつ こころ苦しき わが肌の 汗吹きからす 夏の日の風 牧水先生、のんびり夏の日を部屋にこもって酒でも喰らっているのかと思ったら、人並みに罪悪感なんか感じちゃってるんですねぇ。 だらだら過ごすことに罪悪感を感じるのは、わが国の国民性でし...