2011-10

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文学

霜降(そうこう)

そういえば昨日は霜降(そうこう)だったのですね。 二十四節季の18番目、そろそろ霜が降りるころ、です。 牛肉の肉質のことではありません。 でも昨日はなんだか蒸し暑かったし、今日もそう冷えるというほどではありません。 初霜にはまだ三週間ばかり早いように思います。 明治の俳壇で、高浜虚子は守旧派のレッテルを張られました。 それに対して彼は、自分が守旧派だというのは他人が言っているのではなく、俳句の伝統美を守るため、自ら守旧と言っているので、それはむしろ褒め言葉だ、とへそ曲がりなことを言っています。 その高浜虚子に、霜降を詠んであまりにストレートな句があります。 霜降れば 霜を楯とす 法(のり)の城 霜が降ったなら霜を、花が咲いたなら花を感得して仏法を学ぶよすがにしようという、説教くさい句です。 私はあまりこの句を好みませんが、霜降をここまで素直に詠んだ句も歌も知りません。 そういうわけで、この時季にふさわしかろうと思ったわけです。 さて、彼の兄貴分である正岡子規は、また守旧とは異なった味わいの、秋の句とも冬の句とも見える面白いものを詠んでいます。 菊の香や 月夜ながらに 冬に入る 菊と月は...
社会・政治

労働基本権

今月はじめ、国家公務員等の給与を0.23%減額せよという人事院勧告が政府によって無視され、7~8%立法によって給与を減額することがほぼ決まりました。 労働権に制限を受ける公務員には、その代替措置として人事院が置かれ、戦後の混乱期を除き、人事院勧告ほぼ完全実施されていました。 高度成長期には民間会社の給料が右肩上がりだったため、人事院は毎年10%ちかく給与を増額せよという勧告を出してきました。 しかしバブルが崩壊して数年たつと、初めて減額の人事院勧告が出されるようになりました。 当然、官民格差が生じないようにするためです。 しかも行政改革の旗を掲げ、それこそ怖ろしい勢いで職員数が削減されていきました。 そのうち役所には誰もいなくなっちゃうんじゃないの?という冗談が、本当らしく聞こえてきたほどです。 一人への業務負担が過重となり、体を壊す人、精神を病む人、ひどい場合には自殺する人などが頻発するようになりました。 それでも給与減額と定員削減の波は止まず、次第に職員たちのモチベーションは下がり、モラルの低下が見られるようになりました。 給与が減って仕事が増えるのですから、人情としてやってられな...
思想・学問

裏側には何も

1990年代から2005年にかけて、評論家の大塚英志と小説家の笙野頼子との間で、くだらぬ論争が起きたことがありました。 大塚英志は、いわゆる純文学雑誌は出せば出すほど赤字になり、その赤字を漫画雑誌の黒字で補てんしており、文学作品には市場価値がない、というようなことを書き、それに対して笙野頼子が、純文学=芸術という観点から、芸術性の有無を無視して商品価値に力点を置くのは筋違い、という批判を行ったもので、これはだらだらと10年以上続きました。 そもそも両者は異なった立場で論を展開しており、ゆえに噛みあうはずもなく、笙野頼子のヒステリーと大塚英志の意地悪さが目立つ、醜いものでした。 挙句の果てに笙野頼子は「徹底抗戦!文士の森」なる書物を出版し、この論争は飯の種だったのだと教えてくれました。 嗤えます。徹底抗戦!文士の森笙野 頼子河出書房新社 文学上の論争というのは、時折起こりますね。 例えば昭和30年代、純文学と中間小説の優劣を論争した事件や、井上靖の「蒼き狼」をめぐって大岡昇平が史実を歪める作品だとかみついた、歴史小説論争など。 いずれも空しいですねぇ。 なんだか柔道の金メダリストと相撲の...
お笑い

喪女と「ニート・ジェネレイション」

先日「ニート・ジェネレイション」という歌と、その歌の替え歌、喪女を歌ったものを見つけました。   涙なしには聞かれない、切ない曲です。 ニートは自分の日常を明るく歌いながら、その内容はとてつもなく自虐的なものです。 長期病気休暇中、私は職場復帰は不可能であろうと考えており、この歌の気持ちはよくわかります。 【♀が】 ('A`# ニートのうた #'A`) -NEET GENERATION- 【歌ってしまった】  喪女というのは、彼なし友なし仕事なしの三拍子そろったきつい女性のことだそうです。 男だと毒男と言うんでしょうか。 アラフォー喪女の鬼気迫る思いが、かーんと明るい歌声で歌われ、面食らいます。('A`# ニートのうた #'A`) -NEET GENERATION-歌ってしまった【替え歌】  ニ-トのみなさんも喪女のみなさんも、人生オワタなどと言ってはいけません。 人生軌道から外れたって、生きる道はあるのですから。 まずは短期で簡単なアルバイトから初めて、少しづつ、収入を増やしていったらどうでしょう。 いつまでも細い親の脛はかじれませんから。にほんブログ村 ↓の評価ボタンを押してランキ...
映画

エスケイプ

「戦場のピアニスト」や「ジャーロ」で独特の演技を見せ、観客を魅了するエイドリアン・ブロディが主演、製作総指揮を務めたスリラー「エスケイプ」を鑑賞しました。エイドリアン・ブロディです。 気がつくと森の中、車の助手席で血まみれになっていた主人公。 記憶を失っているらしく、自分が誰で、なぜそこにいるのかわかりません。 後部座席には血まみれの男の死体。 運転席には誰もおらず、拳銃があります。 足をはさまれて身動きとれないまま半日が過ぎ、強引に車の外に出ると、足を折って立ち上がることさえできません。 彼方には男の死体。 一体なにがあったのか、わからずに混迷する主人公。 ラジオ・ニュースで衝撃の事実を知ります。 乗っていた銀色のシボレーは強盗殺人犯が逃走に使ったもので、犯人は銃で武装しており、たいへん危険だとのこと。 では自分は銀行強盗を働き、警備員2人と銀行員1人を射殺して大金を奪った強盗犯の一味なのか? 断片的に蘇ってくる記憶では、どうもそうであるらしく、ならば助けが来ても逮捕されるだけ。 かといってこのまま森に留まれば飢え死にし、山猫の餌になるのを待つことになります。 意を決し、公道を目指し...
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