文学 辞世
自殺するわけじゃありません。 先人の辞世をいくつかみてみようというのです。 残念ながら。 わが国には、武士や文人が亡くなる際、辞世と称して和歌や俳句、漢詩を残す風習がありますね。 多くは事前に辞世を用意しておいて、いよいよと言う時それをしたためたり、口頭で伝えたりしたものと思われます。 辞世というのは建前上は死の直前の心境を表したものですが、意外なほど建前ではなく、その人の人となりを示しているように思います。 ここに特に有名な辞世を見てみましょう。身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂 吉田松陰言わずと知れた幕末の志士、吉田松陰の和歌です。外国に密航しようとしたことがばれて捕えられ、江戸で刑死します。無念のなかにも、強い意志が感じられます。この人が明治維新を生き抜いたら、どれほどの大人物になったのでしょうね。あまりに情が強くて、ちょっと気味が悪いですが、少しずつ、軽いものを見ていきましょう。おもしろき こともなき世を おもしろく 高杉晋作 引き続き幕末の志士です。 吉田松陰に比べて、ずいぶん軽くなりました。 そう言えば菅前総理、高杉晋作がお好きだとかで、奇兵...