2011-11

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美術

老少女 やなぎみわ

朝一番の記事で、下手な理屈をこねくり回したので少々気分が悪いです。 そこで昼休みの記事では趣向を代えて、私が今最も注目している美術家、やなぎみわの寓話シリーズを見て目の保養をしてみます。 無垢な少女と無慈悲な老女が特殊メイクで繰り広げる、怖ろしくも耽美的な作品群で、私はただうっとりと見つめる他ないのです。 糸で老女を責める少女。 モノクロームの映像が美的です。 裸で眠る少女の脇に、不自然なほど長い杖を持った老女。 裸の少女より、グロテスクな老女に目が行ってしまうのが不思議です。 マッチ売りの少女でしょうか。 少女の不自然な笑顔が、雪とマッチの光と相まって、独特の異空間をつくりあげています。 異形の老女が鳥となった少女を運ぶ姿。 老女はこれを食うんでしょうか? 怖ろしいですねぇ。 老女の顔をした少女の顔に装飾を施す少女。 世界はぐるぐる回っています。 鮮やかなカラー映像、老女たちが着飾っています。 ここは日本昔話の異界への入り口でしょうか? いずれも癖の強い作品で、猛毒を仕込んであるようです。 私はむせかえるような香気を放つこれら作品群を偏愛しています。 でもあんまり一般向きではないかも...
文学

俗情との結託

大西巨人といえば、あまりにも長い小説「神聖喜劇」が有名です。 これは第二次大戦中の対馬守備隊を舞台に、驚異的な記憶力を持つインテリの新兵が、その記憶力と法的知識を武器に、上官らと対決する姿をとおして、旧日本軍、ひいては組織全般が持つ非人間性を提示してみせたもので、長く緻密な描写と神学論争とも言うべきディスカッションが延々と続き、正直、面白くありません。 私はそもそも理屈が勝った小説を好みませんので、辛抱たまらず途中で投げ出し、幻冬舎から出ている漫画版でどうにか読みとおした記憶があります。 しかしこの作者が「神聖喜劇」を発表する以前、俗情との結託を排する文学論を唱えていたことを思えば、その面白みのなさも納得できるところです。 俗情とは、人情、あらゆる欲望、社会世相など、人間が生きる要素すべてと言っていいでしょう。 すなわち文学とは俗情を描くものであるとも言え、俗情との結託はいわば文学の必然というべきものです。 しかし大西巨人は、俗情との結託である文学・芸術を批判しています。 その結果現れるのが、俗情と乖離しながら俗情らしきものを客観的に提示し、なんらの解釈も加えず、面白そうでもなく、感動...
社会・政治

1番でも?

先般行われた国会版事業仕分け。 今度は民主党・自民党・公明党から国会議員が仕分け人となって、各種事業に切り込みました。 驚いたのは、スーパー・コンピューター事業がまたもや仕分け対象に入っていたこと。 スーパー・コンピューター「京」は、国直轄の特殊法人である理化学研究所と富士通が共同で開発した国策事業。 驚くべきことに2位の中国のスーパー・コンピューターの4倍という驚異的な計算速度をたたき出し、6月に次いで2期連続で世界一の演算処理速度を誇る超高性能マシンです。 仕分け人たちは、管理運営経費が1.5倍に増えていることを問題視し、事業縮小と仕分けしたそうです。 ちょっとお待ちを。 2位以下にトリプル・スコアをゆうに超える世界一の能力を誇るスーパー・コンピューターを開発した以上、これを維持管理することは絶対に必要です。 その維持管理費用が、これまでのはるかに性能が劣るスーパー・コンピューターと同じような金額でおさまるとでもお考えでしょうか。 高級車を買えばハイオク・ガソリンを入れねばならず、大衆車より燃費も悪いでしょうから維持管理に金がかかるのは子どもでもわかる理屈。 単純に昨年度比何%増だ...
映画

エグザム

昨夜はこの不況下では笑えない、非人道的で謎に満ちた社員採用試験を描いた映画「エグザム」を鑑賞しました。 ある一流企業の採用筆記試験に、8人の男女がやってきます。 この8人、人種・宗教などが、見事にばらばら。 試験のルールは単純。 ①試験監督、または入口に立つ警備員に話しかけてはならない。 ②試験用紙を破損してはならない。 ③部屋から出てはならない。 ④一つの質問に、一つの解答。 しかしこれがなかなか考え抜かれたルールです。 80分間の試験が開始されると、解答用紙を裏にめくって問題を見ようとしますが、何も書いてありません。 ためつすがめつする8人。 一人の女が、意を決したように何やら好き勝手に作文を書き始めます。 するといきなり警備員が彼女の腕をとり、室外に放り出してしまいます。 ②試験用紙を破損してはならない、に違反したのです。 そこで考え込む7人。 光にすかしてみたり、つばで濡らしてみたり。 でも問題はまったく読みとれません。 7人は協力して様々なことを試みますが、やがてこの中に会社側のスパイがいるのでは?とか、どこかにカメラが仕掛けてあって我々が困っている様子を見て喜んでいるのでは...
社会・政治

逮捕200人超!

米国の反格差デモ、ついに200人を超す逮捕者を出したそうですね。 しかもデモ発生直後は過半数の米国人がデモを支持していたのに、今は支持する者はわずかだそうです。 そもそも幻想のお化けに向かっていくような、奇妙なデモでした。 現政権を転覆したいとか、賃金をいくらいくら上げろ、といったような具体的な目標がない漠然としたデモで、どうやって収束させるか、デモ首謀者も困っていたのではないでしょうか。 そう考えると、今回の逮捕劇、うまく出来過ぎていて、デモ首謀者と警察当局との狂言のようなきがしないでもありません。 そもそも米国は、機会の平等を保障することを国是としてきたのではなかったでしょうか。 機会が平等であるため、あとは本人の能力と努力しだいで、いくらでもお金持ちになれる国。 それをアメリカン・ドリームと呼んでいたはず。 あくまでも自己努力の国であることを誇りにしてきたように思います。  それは当然わが国とも、欧州諸国とも、ましてやアジア・アフリカ・中東などの国々とは全く違った、世界の中では異形の大国でした。 いわば格差があることに国家としてのアイデンティティを見出していたのでは? それがまる...
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