文学 歌合せ
寒い曇りの休暇。 出かける気になれず、小林恭二の「短歌パラダイス」を読みました。 小林恭二というと小説家であり、俳句もよくする俳人でもあり、というイメージがありますが、和歌にも強いんですねぇ。 これは某日、熱海の旅館で行われた現代を代表する歌人たちによる歌合せの報告です。 歌合せとは、すなわち歌合戦。 二手に分かれたチームの歌人が和歌を詠み合い、審判である判者(はんじゃ)が双方の意見交換を聞いた上で優劣を決するというものです。 詠む人を方人(かたうど)、自チームの応援のため意見交換の際、自チームの和歌を褒め、敵チームの和歌をけなす人を念人(おもいびと)と呼ぶそうです。 意見交換に方人は参加できませんが、方人と念人は交代しますので、二つの役割をこなしながら、チームのみなが和歌を詠み、判定されるというわけです。 当然のことながら、自チームの和歌が劣っていると思っても、念人は自チームの和歌を褒めなければなりません。 このあたり、おのれの思想と関係なく、与えられた意見を主張するディベートに似ています。 弁護士なんかとも似ていますね。 室町時代くらいまでは盛んに行われ、「七十一番職人歌合」などの...