2011-12

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映画

生贄の館

昨夜はフランスのホラー「生贄の館」を鑑賞しました。 雑誌の記者が人間狩りを楽しむお金持ちの秘密クラブに潜入するマン・ハント物ですが、さすがにフランス。 サディズムの元祖、サド侯爵を生んだ国だけあって、残虐極まりない殺人ゲームを、優雅な貴族の遊びのように描いていて、好感が持てます。 ただし、映像美や雰囲気は抜群に良いのですが、マン・ハンティングの緊迫感が決定的に欠けています。 なにしろ怖くないのです。 ホラーとしてはそこが難点ですねぇ。 一種のゴシック・ロマンとして観ればなかなかなんですけどねぇ。生贄の館 ジェラッリ・モユイナビデオメーカーにほんブログ村 ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
社会・政治

清水寺が毎年年末に発表する今年の漢字。 今年は絆だそうです。 私は絆という語感に嫌悪感を持っています。 なんだかいかにも安っぽく、オツムの弱い不良少年が振りかざす語のように感じるからです。  絆というと、私は米国の社会学者で、ジェンダー論や文学論を専門にしていたイヴ・コゾフスキー・セジウィックが80年代半ばに発表した「男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望」(原題:Between Men)という論考を思い出します。 シェイクスピアからディケンズまで、英国の19世紀までの文学を取り上げて、なかなか興味深いものです。 ジェンダー論でありフェミニズム論でもありながら、あえて文学作品に見られる男社会、あるいは男同士の関係を追究することで、女性や同性愛者など、ジェンダー面での社会的弱者の存在を浮かび上がらせる、という面白い方法を採っています。 男社会には、同性愛への欲望と、それとは逆に同性愛嫌悪があって、それが縄のように連なっているとします。 そしてまた、女性への欲求とともに、女性嫌悪とでもいうべきものが男社会には存在する、と指摘します。 それは多分、男社会という社会的単位のみならず、男...
社会・政治

韓国海上警察官、中国違法漁船乗組員に殺される!

えらいことになりました。 韓国領海内で違法操業していた中国漁船を取り締まるため、韓国の海上警備艇から海洋警察官がゴムボートで中国漁船に乗り込んだところ、中国漁船の船長とみられる男が激しく抵抗、割れたガラス片で韓国海洋警察官を刺し、韓国海洋警察官のうち一人が死亡、一人が負傷したというのです。 中国漁船は拿捕され、中国人乗組員は韓国海上警察に逮捕され、韓国に移送されたとのことです。 わが国の海上保安庁の船に中国漁船が体当たりしてきたことが大きなニュースになったのは記憶に新しいところですが、今回は死人が出ています。 中国政府がどういう言い逃れをするのかまだわかりませんが、大きな問題になることは間違いないでしょう。 まあいきなりドンパチが始まるということはないでしょうが、自国の警察官を殺されたとなれば、韓国政府としても穏便に済ますわけにはいきますまい。  中国人乗組員を韓国内で韓国の法律によって裁かなければなりません。 それに対し中国政府がいちゃもんをつければ、ややこしいことになります。 それでなくても中国漁船による違法操業は、韓国でもわが国でも問題になっており、今後日韓が協力して中国漁船に強...
文学

人外境通信

中井英夫といえば、大長編ミステリー「虚無への供物」が有名ですが、私はむしろ短編にこそ、この作者の面目が現れていると思います。 そこで、「人外境通信」を昨夜読みました。 独立した短編が編められ、最後には最初の作品と同じモチーフに戻っていく、という心憎い手だれによる至芸です。 そのモチーフは、薔薇。 まず、「薔薇の戒め」というタイトルで、薔薇にまつわる不思議な物語が展開します。 その後の短編でも三角関係の悲劇を椅子の視点で描く「笑う椅子」、金色の瞳を持つ青い猫に魅せられた女性の奇妙な経験を描いた「青猫の惑わし」など、まさにこの世ならぬ人外境の出来事を描いて読者を幻惑します。 最後は「薔人(ばらと)」。 薔薇というモチーフがどの作品にも流れています。 人工的に彩られた、どこかに存在する影の王国、人外境。 そこに彷徨い込んだ時、人はそこが人外境とは気付かぬまま、奇妙な経験をするのです。 しかし私たちの日々の生活を思う時、奇妙な事件やくだらぬいさかいが頻発し、理想的な人間社会が存在すると仮定してみると、こここそが人外境なのではないか、という疑念に捉われます。 「人外境通信」は「とらんぷ譚」の三作...
社会・政治

三無事件

もうあまり知っている人もいないでしょうねぇ。 1961年の12月12日、旧日本軍の元将校らが画策していたクーデター計画が発覚、関係者34人が逮捕された事件のことを。  称して三無事件。 三無とは、  無税 - 官公庁の大幅人員削減による財政収縮と公社公団の民営化 無失業 - 大規模な公共事業の実施による失業者吸収 無戦争 - ミサイルや宇宙兵器の開発による外国からの侵略の阻止  を目的とするそうです。 クーデター計画はかなり本格的なもので、 1.開会中の国会を占拠、総選挙の実施 2.閣僚を監禁し逃走者は射殺 3.報道管制の実施 4.自衛隊には中立働きかけ 5.戒厳令を敷き臨時政府の樹立 というものでした。 1960年代といえば、安保闘争や安田講堂事件 、連合赤軍事件と、主に左翼を中心とした政治の季節。 しかし右翼の側も、左翼運動の台頭に危機感を抱き、クーデターを計画をしたものと思われます。 左翼の運動は、ただ騒ぐばかりの児戯にひとしいもの。 それにくらべて、旧軍の将校であっただけに、三無事件の首謀者はクーデターのポイントを押さえています。 しかしこの計画には、決定的な欠陥があります。 ...
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