文学 恐怖症と谷崎文学
世の中には様々な恐怖症を持った人がいますね。 一般的なところでは、高所恐怖症や対人恐怖症、水を異様に怖がる人や、暗い場所を怖がる人、日本にはあまりいませんが、欧米では広場恐怖症という人が大勢いるようです。 私は病気というほどの強い恐怖ではありませんが、斑点恐怖症と先端恐怖症と言われるような気持ちを持っています。 斑点恐怖症とは、虫がたくさんあつまっている所とか、イクラ丼とか、大雨とか、粒々がたくさんあると、ぞっとすることです。 この前ペットボトルのお茶を箱で買って、ふたを開けたらペットボトルの蓋がきれいに並んでいるのが粒々に見えて、非常に不快な思いをしました。 ひどい人になると粒々を見ただけで熱が出たりするらしいですから、不快に思う程度はなんてことないのですが、やっぱり気になります。 先端恐怖症を意識したのは、中学生の頃、谷崎潤一郎の「春琴抄」を読んだときですね。 「春琴抄」は盲目の三味線の美人師匠と、それに仕える丁稚の佐助の物語ですが、ある時春琴が熱湯を浴びて顔に大やけどを負い、それ以来人と会おうとせず、佐助と会うことまで嫌がるに及び、春琴を慕い尊敬する佐助は、自ら針で目を突いて盲目...