2012-01

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思想・学問

与える

東日本大震災以降、盛んに目にし、耳にするようになった言説に、勇気を与えたいだとか希望を与えたいだとかいう物言いがあります。 私はこれらの言い方に、非常に強い違和感を覚えます。 よく時代劇なんかで軍事力も財力も無い腐れ公家なんかが、権威だけを頼りに、「官位を与える」なんて言ってますね。 与えるという言葉は、上の者が下の者に何事かを恵んでやる、というニュアンスがあります。 しかるに、スポーツ選手が「試合で努力する姿を見せて勇気を与えたい」だとか、芸能人が「芸で希望を与えたい」だとか、ボランティアが「絆を与えたい」だとか言っているのは、大傲慢というべきものです。 某ボクシング選手などは、「勇気を与えれるようにしたい」などと発言して、言葉の誤用に加えてらを抜き、滑稽味を加える芸の細かさです。 それを言うなら、「希望を持ってほしい」とか言うべきでしょう。 言葉は変化していくものではありますが、意味があまりにも変ってしまっては、意思の疎通が困難になります。 こだわる、という言葉も年配者と若者の間では逆の使い方をしていますね。 本来の意味は、ある物事に執着してうじうじする、というような、悪いイメージ...
その他

カラオケ

先ほど騒々しいテレビ番組で、年代別の人気カラオケ曲のランキングを発表していました。 42歳の私は、当然40代以上のランキングに目がいきます。 10代、20代、30代と分けておいて、いきなり40代以上と大きくくくるのは、テレビ局みずからテレビの存在意義を貶める行為でしょうねぇ。 じつは若い者ほどインターネットやゲームに夢中でテレビを見ず、最もテレビ視聴時間が長いのは60代なんですから。 テレビは主婦や子ども、若者が見るものという常識は、完全に覆りました。 これはひとえに、安い制作費で視聴率が稼げる番組を作ろうとした、テレビ番組制作会社の怠慢のせいといえましょう。 これからさらに少子高齢化が進み、高齢者であってもパソコンやインターネット・ゲームに抵抗がない、という時代が来れば、テレビなんぞ滅びてしまうでしょう。 そしてあと10年もすれば、そういう時代がやってきます。 現在の50代後半の世代は、仕事上やむを得ずパソコンを覚え、パソコンになんの抵抗もなくなっていますから。 で、40代以上で最も歌われている曲は、サザンオールスターズの「いとしのエリー」だそうです。 この結果自体は順当だと思われま...
映画

LOFT

昨夜は黒沢清監督の「LOFT」を鑑賞しました。 スランプのため、都会のマンションから森と沼に囲まれた田舎の洋館に引っ越した女流作家。 隣には某大学の研修所があります。 そこに、考古学者が千年前の若い女ミイラを保存しています。 ミイラは沼から上がったのですが、泥の特殊な成分が有機物を保存する作用があり、ミイラ化したのだそうです。 嘘か真か知りませんが、かつて日本の貴族階級の女性は美容法として泥を飲んだという設定になっています。 ネットで調べたら千年前の日本のことはわかりませんでしたが、現代のフランス女性も泥を飲んでいるとかで、飲用の泥が売っているそうです。 その神秘的なミイラを背景に、サスペンス風の殺人劇が繰り広げられ、殺された女の幽霊が出てきたり、女流作家と考古学者の恋愛が描かれたり、ごちゃごちゃと詰め込みすぎて物語として破綻している感じがします。 なんだか中だるみしました。 映像は綺麗なんですけどね。 残念な作品でした。LOFT ロフト デラックス版 中谷美紀,豊川悦司,西島秀俊,安達祐実,鈴木砂羽ジェネオン エンタテインメントにほんブログ村 映画(オカルト・ホラー) ブログランキン...
その他

定命

昨日、大先輩の訃報にふれました。 定年退職して約10ヶ月。 定年後すぐに関連会社に再就職し、バリバリ働いていたところ、心筋梗塞で倒れ、間もなく亡くなりました。 夏は登山、冬はスキーを楽しむ、山が大好きなスポーツマンでした。 定命は天の知るところ。 人の知るところではありません。 しかし知っていれば、再就職なんぞせずに、短い余生を趣味に生きることができたでしょうものを。 人間いくつまで生きるか知れないことは困ったものです。 あと一ヶ月で死ぬと知れば、しかもそれが確かなことならば、仕事なんぞとっとと放り出して、貯金を使い果たすまで遊ぶでしょう。 70まで生きるか、80まで生きるか、あるいは100まで生きるか知れない身であれば、今後に備えて働けるだけ働こうとするでしょう。 一生かかっても遣いきれない財産があればまた別でしょうけれど。 そんな人はごくわずか。 まして世界経済は停滞し、給料も上がらない昨今、とにかく経済的困窮を避けようとするのは人情というものです。 懇意にしていた人が亡くなるというのは切ないものですねぇ。 私は30歳のとき、27歳の後輩を喪いました。 自殺でした。 その時のショッ...
映画

F

昨夜は英国製学園ホラー「F」を観ました。 高校教師のロバート。 彼はある男子生徒にF(落第点)をつけ、それを教室中に聞こえるように言い渡します。 男子生徒はロバートに暴力をふるい、怪我をして入院することに。 しかし学校当局は、ロバートの指導方法に問題があるとして、彼を責めます。 暴力をふるった男性生徒の親は、ロバートが息子を侮辱したとして、学校とロバートに謝罪を求め、訴訟をちらつかせます。 仕方なく、ロバートは学校当局の指導に従います。 しかしその一件以来、ロバートは校内暴力に敏感になり、教職員にチラシを回覧して注意喚起したり、頻繁に警察に通報したりして、精神異常を疑われます。 ついに、ロバートが怖れていた事態が起きます。 夜の校内にパーカーを着て深くフードを被った数名の者が、手当たりしだいに教職員や残っていた高校生を惨殺してまわります。 一体何者が殺戮行為を行っているのか。 謎は謎のまま、物語は進んでいきます。 オチもなければ殺人者たちの素性も動機も提示されません。 アマゾンではこの点が評価されていないようですが、逆に私は、これが面白いと思いました。 現代の高校が荒れ果て、学級崩壊の...
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