社会・政治 泡沫候補
私が学生の頃、昼時に数寄屋橋を通りかかると、いつも人ごみができていました。 その中心には右翼の街宣車。 街宣車に乗って、意気軒昂に狂信的な演説をぶって道行く人を笑わせていたのは、かつて共産主義運動に全力で取り組みながら、同志の裏切りにあい、獄中で転向を決意した浪漫の人。 赤尾敏その人でした。 若い頃は三宅島で牧場を経営し、武者小路実篤の新しい村運動に共鳴して原始共産制のような集団生活を送り、転向後は戦争中、大政翼賛会の推薦を受けられなかったにも関わらず衆議院議員選挙で当選を果たし、当時の東条英機内閣を鋭く批判して嫌われました。 戦後、街宣車で街中を走りまわるという右翼のスタイルを確立した人でもあります。 彼は元が共産主義者であったためか、昭和天皇の戦争責任を追及したり、親英米を主張したりして、その後の反米右翼である新右翼からは蛇蝎のごとく嫌われていました。 選挙といえば国政地方関係なく必ず立候補し、落選していましたね。 数寄屋橋で毎日聞ける生の演説も素敵でしたが、政見放送がまた面白かったですねぇ。 だいたい途中で怒りだし、「なんだ、今の総理大臣は。なっとらん。おれを総理大臣にしろっ」な...