2012-02-16

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文学

雪見

もう私が働く職場の庭では、梅がふくらんでいます。 それなのに今日は午後から雪になりました。 雪が降ると寒いですねぇ。 幸い積もることはなさそうです。 梅の花 それとも見えず 久方の 天霧る雪の なべて降れれば                                                    よみひとしらず 「古今和歌集」に見られる歌です。 春の雪で、梅の花が雪にまぎれてそれと分からない、という情景を詠んだ、寒々しいような、春が待ち遠しいような感じがよく出ていますねぇ。 手だれによる和歌と思われますが、よみひとしらずなんですねぇ。 では敬愛する蕪村先生は雪見をなんと詠んでいるでしょう? いざ雪見 容(かたちづくり)す 蓑と笠    与謝蕪村 蕪村は放浪の後、京都に居を構え、二度と旅に出ることはありませんでした。 芭蕉に比べ、軟弱な都会人だったのですねぇ。 さあ、雪見だ、といって重装備をする姿が、都会的と言えば都会的、大げさといえば大げさ。 京都ごときでそんなに降らないでしょうにねぇ。 どちらにしても、そこはかとないユーモアが漂います。 風狂の人の句ではありえませんねぇ...
文学

荒魂

石川淳の初期の長編に、「荒魂」という作品があります。 主人公佐太は、生まれた日は死んだ日だった、という紹介をされ、その破天荒な生きざまが綴られます。 化け物じみた生命力を持つ佐太は、口減らしのために生まれるとすぐにりんごの木の下に埋められてしまいますが、穴から這い出て大声で泣き叫びます。 父親はさらに頭を殴ってさらに深く埋めますが、やっぱり這い出てしまいます。 やむなく育てることにしましたが、姉二人を犯し、兄三人を召使のように使役し、父親は自分が元埋められていた場所に埋めてしまいます。 荒魂(あらみたま)は和魂(にぎみたま)と対をなす概念で、怖ろしい、荒ぶる神を表します。 佐太はこの後田舎を出て仲間を得、革命とも争乱ともつかない騒動に身を投じるのですが、果たして荒魂は佐太その人を指しているのでしょうか。 あるいは佐太の一派すべてを? この作品は石川淳お得意の現世的野心や神性に加え、現代風俗や経済問題などまで書き込み、べらぼうに面白い作品に仕上がっています。 しかし、「至福千年」や「紫苑物語」、「狂風記」に見られるような異常な緊張感とか、構成の妙に欠けるような気がします。 某文芸評論家は...
映画

こっくりさん 劇場版

昨夜はDVDで「こっくりさん 劇場版」を鑑賞しました。 こっくりさん、私が小学生の頃、流行りましたねぇ。 というか、私の学校では私が流行らせた張本人で、一時的に精神に異常をきたす子まであらわれて、教員にこっぴどく叱られました。 親には叱られませんでしたが、苦笑いしていましたねぇ。 「こっくりさん 劇場版」では、38年前に失踪した小学生の男の子が白骨化して山中で見つかる場面から始まります。 男の子はこっくりさんが大好きでした。 遺体が見つかってから、当時のクラスメイトが次々に変死を遂げていきます。 その連続変死事件で母を喪った女子高生が、霊能者の数学教師と一緒に謎解きを始め、白骨化した男の子の恨みが原因らしいと知り、これをこっくりさんで鎮めようとします。 毒をもって毒を制す作戦です。 なんとなく映像に気品がありました。 ホラーの名作、「リング」や「シャイニング」がそうであったように。 こっくりさんというのは、西洋でいうウィジャ盤にあたるもので、50音を書いた紙の中央に赤く鳥居を描き、そこに十円玉を置いて指を添え、こっくりさんを呼び出し、質問をすると十円玉が動いて文字を指し、回答してくれる...
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