2012-02

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文学

立春

今日は立春ですね。 よくニュース番組などで、お天気キャスターが「暦の上では今日から春です」なんて言っていますが、「暦の上では」は余計ですねぇ。 季節の移り変わりに暦も糞もありますまい。 気温が低くとも、濃厚な春の気配がすでにこの国を覆っています。 岩間とぢし 氷も今朝は とけそめて 苔のした水 道求むらむ 「新古今和歌集」に見られる西行法師の歌です。 岩の隙間を閉じ込めていた氷も解けて、苔の下の水は流れるべき道をさがしているのだろう、といったほどの意かと思います。 立春にふさわしい歌ですね。 じつは私は西行法師の和歌をあまり好みません。 奔放に過ぎて、しかもやや感傷に走るきらいがありますから。 きっと平安末期の歌壇では、熱狂的なファンがいる一方、一部からは毛嫌いされていたのではないかと想像します。 太宰治や石川啄木がそうであったように。 しかしこの歌は、瑞々しい春の訪れを思わせつつ、まだ凛とした冷たい空気をも感じさせて、好感が持てます。 私が住まいする千葉市でも、近頃は池にうっすらと氷が張ったりしていますが、それもそろそろ終わりでしょう。 筒井康隆の小説「敵」では、妻に先立たれた独り暮...
文学

「暁の寺」と唯識

三島由紀夫の遺作となった大作「豊饒の海」の第三巻、「暁の寺」には、長々と仏教唯識論についての言及があり、読むのが苦痛になるほどで、作品としての完成度を落としてまで、それに言及しなければならなかったのは、第四巻「天人五衰」を書きあげた直後に自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺をしたことを考え合わせると、示唆に富んだ作品です。 「豊饒の海」全4巻は、20歳という若さのピークで主人公が死を迎え、次の巻では前の巻の主人公が転生してまた20歳で死を迎え、という輪廻転生の物語になっています。 転生した者には同じ場所に独特の形をした黒子があり、第1巻の主人公の親友であった法律家がそれを認め、20歳での死を見届ける、という形式で物語は進みます。 つまり第1巻の主人公と同い年の法律家が80歳の時、ちょうど4人分の死を見届けるはずなのですが、ラストでは、そう簡単にはいきません。 三島由紀夫の美的でシニカルな作品群の中では、異色の作品です。 で、唯識。 五感の下にマナ識、と呼ばれる意識を設定します。 西洋心理学で言う無意識に近いものですが、もちろん同義ではありません。 マナ識は、おのれに執着する心です。 さらにその...
社会・政治

親子対決

石原新党結成の動きが加速してきましたね。 大阪維新の会と日本一愛知の会に秋波を送り、あわよくば次の選挙で70人程度の巨大新党を立ち上げたいご様子。 石原都知事、老いてなお盛んですねぇ。 困っちゃったのが長男の石原伸輝自民党幹事長。 次期総裁選に立候補して総裁を目指し、政権を奪取するという目論見は風前の灯火です。 常識的に考えれば、25年も国会議員を続けている倅が総理を目指そうと言うときに、80ちかい父親が足を引っ張るというのは理解しにくい事態です。 石原都知事、なにがしたいんでしょうね。 お国のために、という志は買いますが、今さら何を、という気もします。 仮に70人規模の新党ができたとして、大部分は自民党と民主党からのヘッド・ハンティング。 また、新党との選挙戦に敗れてしまう民主党・自民党の国会議員も多いでしょうから、事実上は自民党も民主党ももろともに叩きつぶし、自らが連立政権の首班になろうというのでしょうか。 聞くところによると、石原都知事はよる年波のせいか、毎日10時間は睡眠をとらないと体が持たないのだとか。 そんなことで政権が担えるのでしょうか。 政治家は何より体が丈夫じゃないと...
思想・学問

節分

今日は節分ですね。 季節の変わり目には邪気が発するため、これを祓うために邪気を鬼に見立て、追い払おうというものです。 私も子どもの頃には実家で豆まきをしました。 「鬼は外、福は内」と。 しかし埼玉の鬼鎮神社では、「福は内、鬼は内」と掛け声をかけるそうです。 鬼を祀っているのであれば当然でしょうねぇ。 浅草寺には鬼はいないということになっていますので、「福は内」のみだそうです。 所変われば、ですねぇ。 私は高校生の頃、鬼は大和朝廷から見た異界の民族だという説を知り、さらにわが国における鬼の起源は嫉妬に狂う女や、子どもを守ろうとして異常な状態になった母親だという説を知るにいたり、鬼に同情的になり、単純に「鬼は外」と言うことが苦痛になってしまい、実家での豆まきに参加しなくなりました。 能や歌舞伎の演目「土蜘蛛」は、怖ろしい妖怪、土蜘蛛を源頼光が退治する痛快譚ですが、古く、土蜘蛛は蝦夷に住んで大和朝廷に反逆した人々の異称でもあると知り、わが国の古代に行われたであろう過酷な虐殺を含む国家統一に思いをいたしました。 我が家には、傷つき、心を痛めたであろう鬼たち、不本意ながら鬼になってしまった人々を...
思想・学問

キリストの墓

キリスト教によれば、イエスは磔になった後復活し、天上に上ったということになっていますから、キリスト教徒にとってキリストの墓は存在するはずがない、ということになります。 一方、異端とされる説では、イエスはヨセフとマリアの間に生まれた普通の子どもであり、洗礼を受けた時、神の子、キリストになったとします。 磔になったとき、神の子、キリストは天上に上ったが、イエスは人間に戻って遺体となったため、墓は存在すると主張します。 キリストの墓とされる物は世界中に存在しています。 まずインド・カシミール。 カシミールのユダヤ人はすべてイスラム教に強制的に改宗させられていますが、その墓を守る家族だけが改宗を免れ現在もユダヤ教徒だそうです。 古い墓には、ユダヤの言葉であるヘブライ語での記述があり、記述によるとイエスは112歳まで生きたとされています。 次に南フランスの小さな村レンヌ=ル=シャトー。 このあたりは13世紀頃、異端のカタリ派が支配しており、後に十字軍によって滅ぼされますが、秘宝を残したとされています。 その秘宝こそが、イエスの墓なのではないか、というのです。 そして最後に控しは、わが国青森県の戸...
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