2012-03-07

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精神障害

不孝

3月5日の午前1時19分、父が71歳で他界してから三日あまり、涙を流すことも嘆くこともありませんが、雲の中をさまよっているような、奇妙な感覚が続いています。 その間飯を食い、糞をたれ、仕事に行き、まともな日常を過ごしているのですが、この奇妙な感覚から抜け出すことができません。 それは親の庇護を失ったとか、精神的支柱を亡くしたとか、ありきたりな言葉で表現できるものではありません。 魂の奥の奥、すべてが混沌としている生物の核というべき何物かから、その一部が欠落したような、日本語では表現できない、何か不可思議な物が抜け落ちたとしか言い様のないものです。 一般的な父親と息子がどういう関係性を築いているのか私には分かりませんが、私と父との間には、悪友めいた不思議な感覚が確かに存在していました。 私は父の悪を知り、父は私という存在の邪悪を知っていました。 そして互いに、自分には無い相手の才をも、見抜いていました。 私は、父が実は悪を抱えながら、堂々と正義を振りかざし、しかもそれが様になる格好良さを羨ましいと思っていましたし、父は私が持つ皮肉屋めいた諧謔を愛でていたに違いありません。 悪と才とを知り...
映画

才能豊かなクソッタレ

1999年の3月7日、私が敬愛してやまない映画監督、キューブリック監督が亡くなりました。 享年70歳。 もっとたくさん、イカレタ大作を撮って欲しかったですねぇ。 遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」はただの上流階級の乱交パーティをさも重大な秘密のように描いて失望させられましたが、「博士の異常な愛情」、「2001年宇宙の旅」、「時計じかけのオレンジ」、「シャイニング」などは、いずれも素晴らしい出来です。 ただ人間性には問題があったらしく、某映画人は彼を評して才能豊かなクソッタレと言ったとか言わないとか。 「博士の異常な愛情」では冷戦下、核戦争の危機に怯える世界を舞台に、元ナチの原子力科学者を皮肉たっぷりに描いたブラック・コメディの名作でした。 「2001年宇宙の旅」は生命誕生の謎に迫り、ハル・コンピュータが静かに人間に対して反乱を図る姿が異常なまでの緊張感をよぶ、難解で哲学的な作品でした。 「時計じかけのオレンジ」は無軌道に暴力を繰り返す若者を描く前半と、若者を捕えて暴力性を喪失させる手術を施した後の若者の怯えぶりが見事な対比をなし、オチも見事でした。 「シャイニング」は私の一押しの...
社会・政治

男女差別

先ごろフランスで、公的には未婚女性への敬称であるマドモアゼルを使用してはならないことになったそうですね。 女性への敬称はすべてマダムに統一するとか。 要するに女性だけ結婚しているかどうかで敬称を変えるのは男女差別だというわけでしょう。 さん、とか、様など、男女、既婚未婚関係のない敬称を持つわが国から見ると、非常に奇妙な感じがします。 わが国でいえば、奥様か、お嬢様か、どちらかしか存在しないようなものですから。 私はフランス語の知識を持ちませんが、聞くところによると、椅子だとかテーブルだとか、無機物にまですべて男性名詞か女性名詞に分けられるそうですね。 果たして机は男なんでしょうか、女なんでしょうか。 もともと極めてセクシャルな言語なんでしょうね。 わが国でも、看護婦と看護士は看護師に統一され、女医とかいう言い方も一部ポルノ作品くらいでしかお目にかかれなくなりました。 むしろ男女差別意識にはうるさいと思われる作家なんかが、女流作家という言い方に文句をつけないのは不思議です。 今の自由民主主義社会で最も過激な男女差別をくり広げているのは、逆説的ですが、フェミニストやジェンダー研究者など、女...
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