2012-03-26

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文学

侠気

今日は与謝野鉄幹の忌日だそうです。 じつは私は与謝野鉄幹の詩歌や書くものが苦手です。 何かと言うと男気だの侠気だの情熱だのを持ち出す暑苦しいやつだからです。 与謝野鉄幹と言うと、「人を恋ふる歌」と題する16の短い定型詩が有名ですね。妻をめとらば才たけて みめ麗 しく情けある 友をえらばば書を読みて六分の侠気四分の熱 これが最初の詩。 すでに暑苦しい感じが漂っています。わが歌声の高ければ 酒に狂うと人のいう われに過ぎたるのぞみをば 君ならではた誰か知る  これが10番目です。 いよいよ勢いがスパークしてきましたね。おなじ憂いの世に住めば 千里のそらも一つ家 己が袂というなかれ やがて二人の涙ぞや 15番目です。 好悪はともかく、詩の文句を直観的に選ぶ才は天賦のものであると認めざるを得ません。 男気や侠気に重きを置いた人だけあって、才能ある無名の若手を発掘することにも情熱を傾けたようです。 後の婦人、晶子、石川啄木などをプロデュースしています。 当時かれには妻があり、その妻を捨てて晶子と結婚することになるわけですが、当時はずいぶんなスキャンダルになったようです。 しかしなかなかのおしどり...
文学

瘴気

この週末は冴えない感じでした。 家でごろごろ。 早くも春の瘴気に当てられているようです。 遠白く 空は曇れりひそやかに 山椒の葉の かをり来る昼    窪田空穂 はるか遠くまで曇っている空、どこからともなく山椒の香が漂っている、という感じでしょうか。 私はこの和歌に瘴気を感じます。 どこか不気味な感じがします。 瘴気とは、平たく言えば悪い気配。 その昔は伝染病などを指す意味もあったとか。 でも私が使う瘴気は、まさに悪い気配とでも言うしかないもので、実体がありません。 私には、春には瘴気が濃厚になるように感じられてならないのです。 昔から、春愁とか春恨とか、そういう気配に当てられてわけもなく憂鬱になる感情を表す言葉が存在したところを見ると、時代と地域を問わず、春とは憂鬱なもののようです。 早く桜が咲いて、狂気のように散ってしまえば、春の瘴気は桜とともに去っていくような気がします。 早く桜の便りを聞きたいですねぇ。窪田空穂歌集 (岩波文庫)大岡 信岩波書店窪田空穂歌文集 (講談社文芸文庫)高野 公彦講談社にほんブログ村本・書籍 ブログランキングへ ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック...
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