文学 悪の華
近代詩の父とも称されるボードレール。 しかし生前はあまり認められず、世をすねたような詩も数多くあります。 生前唯一発表された「悪の華」は公序良俗に反するとして摘発され、罰金刑に処せられたりしています。 亡父の莫大な遺産を派手に散財し、準禁治産者にされてしまったとか。 後のヴェルレーヌやランボーに影響を与えたことでも有名ですね。 ボードレールです。 「悪の華」から、一篇。 「敵」と題されています。 我が青春は陰惨なる嵐に似たり 時に一筋の光明なきにあらずも すさまじき雷雨吹き荒れ ひとつの果実とて実を結ぶことなし いまや実りの季節というに 鋤と鍬とで 洪水に浸った土地を あらたに耕しなおさねばならぬ 墓穴のようなこの土地を 我が夢に見る新しき花々が 砂浜の如く不毛なこの地に 実を結ぶことなどあるだろうか 苦しや! 時が命を食いつぶす 我らの心臓をかじる隠れた敵が 血を嘗め尽くして肥え太るのだ ここで敵とは、時間と解するのが一般的なようです。 時間が若さを奪い、得られたであろう名誉や富を奪ったというのですか...