文学 春雨の
通勤途中で観る桜、早くも散り始めています。 今週末は桜吹雪のようになっているでしょう。 散る花を涙とみるか死と見立てるかで、趣はずいぶん違ってきますね。 私は長いこと、散る桜に涙を見立ててきました。春雨の 降るは涙か 桜花 散るを惜しまぬ 人しなければ 大友黒主 この和歌は春雨を桜を惜しんで流す涙だと詠んでいます。 それはまさに桜という花の死を悼むものであったでしょう。 しかし私は、散る桜そのものが、桜にとって血の涙なのだと感じています。桜花散りぬる風のなごりには水なき空に浪ぞたちける 紀貫之 桜が散ってしまった後、その名残に花は空を舞って、波のように漂っている、という桜吹雪の猛烈さを、わりあいと静かに詠んでいます。 私にはそんな生易しいものではないように感じますが。 桜が散って、新緑の季節が訪れれば、一気に首都圏は東南アジアのような猛暑に襲われることになります。 今夏も節電が求められるんでしょうねぇ。 昨年は冷房運転を極端に短くし、仕事にならないような感じだったことを思い出します。 一年は繰り返しのようでいて、じつはすべてが初めてのこと。 平成24年の桜は初めてで、繰り返すこ...