2012-05

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思想・学問

精神的故郷

先日、亡父の蔵書の中から、久しぶりに小難しい哲学書を読む機会に恵まれました。 ドイツの哲学者、ヤスパースの「歴史の起源と目標」です。 中学生の頃、同じ作者の手になる「哲学入門」というのを読んで、非常に混乱した覚えがあり、それ以来、この作者の著作は敬して遠ざけてきました。 しかしこの「歴史の起源と目標」、なかなかぶっ飛んでいて素敵です。 ヤスパースは、人類はひとつの起源とひとつの目標をもつという信念をもっていました。 起源と目標の間を、わけもわからず漂っているのが人間の歴史だというのです。 これはキリスト教やイスラム教にみられる、天地創造と最後の審判という考え方によく似ていますね。 ヤスパースの素敵な点は、これを一つの宗教の問題ではなく、全人類の問題に敷衍しようとしたことにあります。 そのため、枢軸時代という概念を持ち出します。 紀元前500年頃、世界のあちこちで、互いを知らぬまま、巨大な思想的運動が同時並行的に起きたというのです。 中国においては老子や孔子、インドにおいては釈迦やウパニシャッド哲学、中東においてはゾロアスター教やユダヤ教、ギリシャにおいてはソクラテス、プラトン、アリスト...
社会・政治

禁酒令

福岡市で相次ぐ飲酒が原因の事件やトラブル。 業を煮やした福岡市長は、前代未聞のお達しをだしました。 すなわち、1万数1千名の市職員に、自宅以外での飲酒を禁じる、というものです。 ちょっとやりすぎなんではないでしょうか。 勤務時間外にどこで何をしようと勝手のはず。 それをサラリーマンの楽しみを奪うようでは、市長としての資質に欠けると言わざるを得ません。 市役所周辺の飲食店も上がったりでしょう。 市役所職員は立派な大人。 その大人を子ども扱いしてはいけません。 酒がらみの犯罪があまりに続いたことは確かですが、悪いのは酒ではなく、悪酔いするほど飲んだご当人がわるいのです。 それを糞味噌一緒みたいに全員飲むななんて、禁酒法下の米国ではないんですから。 白玉の 歯にしみとおる秋の夜の 酒はしずかに 飲むべかりけり という名歌もあるごとく、酒は社会の潤滑油。 上手に付き合いたいものです。 にほんブログ村 社会・経済 ブログランキングへ ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
社会・政治

メッカ

イスラム教徒には様々な守るべき戒律があり、メッカの方角を向いて礼拝することはそのうち最も重要なこととされているのは日本人でもよく知っていることですね。 で、イスラム教徒の宇宙飛行士を育成するという時、どこへ向かって礼拝すれば良いのかが、イスラム指導者の間で問題になったそうです。 やむを得ず、メッカが存在する地球に向かって礼拝すれば良いことに落ち着いたとか。 そこらへんは現実的というか、いい加減なのですね。 しかしトルコのあるモスクで、メッカの方角を示す印が、60度ずれていたことが判明したそうです。 そのモスクは築30年以上。 結局そのモスクは取り壊され、このほど正しいモスクが建築されたそうです。 めでたしめでたし。 で終るのかと思ったらあにはからんや。 そのモスクで礼拝を続けていた人々は、30年の間、イスラム教徒としての義務を果たしていたと言えるのかどうかが、イスラム指導者たちの間で議論になっているそうです。 そんなことどうでも良いではないですか。 それともその程度のことで地獄に落ちるとでも言うんでしょうか。 そうだとしたらイスラム教の神様というのはずいぶんけつの穴が小さいということに...
映画

ダーク・シャドウ

なんということもなく、今日は休暇をとりました。 わが国民の有給休暇取得率は極めて低いので、取得率上昇に寄与するために。 で、映画館に足を運びました。 平日午前のシネコンはがらがらで、年配男性の一人客が目立ちました。 私も早く退職してそんな身分になりたいものです。 観たのはティム・バートン監督とジョニー・デップ主演の黄金コンビの最新作、「ダーク・シャドウ」です。 私はティム・バートン監督が作り出す張りぼての城のようなおとぎ話の世界を偏愛していて、ずいぶん観ました。 中でもお気に入りは「シザー・ハンズ」と「ビッグ・フィッシュ」ですねぇ。 今日観た「ダーク・シャドウ」も作り物めいたおとぎ話の世界が炸裂していました。 ホラー的要素、純愛的要素、ポルノ的要素、家族愛的要素、様々な成分が渾然一体となった、重層的な作りこみになっていました。 ただ少々悪乗りが過ぎるようで、完成度において少し不満が残りました。 200年前、英国から新大陸に移住したコリンズ一家は水産業で財をなします。 その家の長男に懸想した使用人の娘。 長男を誘惑し、2人は肉体関係をもちますが、長男の心は別の女性に向いていました。 魔女...
お笑い

品川心中

昨夜家に帰ってひとっ風呂浴び、焼酎を飲みながらテレビをつけると、某民放で浅草お茶の間寄席なる番組が放送されていました。 ゴールデンタイムに落語とは珍しいと思って見るともなく見ていると、ぐいぐい引き込まれました。 噺家は古今亭志ん輔。 演目は「品川心中」です。 品川の花魁、お染は、住み替えの金が出来ないために下の女から馬鹿にされるので、死ぬことを決断します。 1人で死ぬのは嫌なので誰か道連れをつくることを考えます。 なじみの客から道連れを選び、少々ぼんやりしている金蔵と一緒に死ぬことに決めます。 早速金蔵を呼び出したお染は無理やり金蔵に心中を承知させる。 翌日の晩、いざ心中という時にカミソリで首を斬るのを金蔵が嫌がるので、外の桟橋から身投げをすることにします。 桟橋でなかなか飛び込もうとしない金蔵をお染が突き落とし、自分も飛び込もうとしたところに、店の若い衆が「金が出来た」という知らせを伝えに来ます。 お染は死ぬのが馬鹿馬鹿しくなって店へ戻ってしまう。 遠浅だったため死にそびれた金蔵は親方のところへ行くが、親方の家では博打をしており、戸を叩く音で「役人だ」と早合点して全員大騒ぎ。尋ねてき...
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