2012-08-15

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文学

少年小説

私は一時期、「少女の友」という戦前の雑誌に興味を持ち、川端康成の「乙女の港」などの少女小説を耽読したことがあります。 それは誠に麗しい世界で、やや同性愛的でもありました。 最近、同時期に書かれた少年小説で、最も有名な、佐藤紅緑の「ああ玉杯に花うけて」という作品を読む機会に恵まれました。 タイトルは旧制第一高校の寮歌のようです。 20数年前までは、毎年寮歌祭というのが開かれ、旧制高校出身のおじいちゃんたちが、学ランを着て暑苦しい歌を歌って喜ぶ姿がテレビで放送され、私は化け物でも見るような気分で眺めたものです。 少女小説とは正反対で、こちらはまた、ずいぶんとむさ苦しい小説でしたねぇ。 むやみと喧嘩をしたり、感激して涙ぐんだり、説教がましい言説が頻繁に登場したり。 こんな暑苦しい少年なんてそうそうみかけません。 それとも戦前はそういう少年が多かったんでしょうか。 私は中年おやじですが、どうも少年小説の熱血ぶりにはついていけないようで、嘘くさくて麗しい少女小説のほうが趣味に合っているようです。 もう一つ驚いたのは、当時映画(活動写真と記されていましたが)を観るのは、不良少年か社会の下層階級にあ...
文学

心性

敗戦の玉音放送を、多くの日本人は茫然自失の状態で聞いたことでしょう。 16年前79歳で亡くなった祖母は、敗戦時、20代後半。 米軍が進駐してくれば、必ず暴行を受け、子どもらは殺害されると信じ、懐に短剣を帯びて、いつでも死ぬつもりだったと言っていました。 それだけに連合軍の比較的穏健な統治に拍子抜けしたようです。 しかし私の祖母がそのような覚悟を決めていたということは、多くの日本人が同じ気持ちであったろうと推測します。 そして子を戦いで失った親達の嘆きはいかばかりであったでしょう。 祖国の勝利を信じて散った兵士とその親は、敗戦という事態を受け止めることが困難であったことでしょう。 たたかひは 永久(とわ)にやみぬと たたかひに 亡(う)せし子に告げ すべあらめやも たたかひに 果てし我が子の 目を盲(し)ひて 若し還り来ば かなしからまし 釈迢空の和歌です。 歌人、釈迢空としてより、国文学者にして民俗学者、折口信夫(おりくちしのぶ)としてのほうが有名かもしれません。 彼は戦争末期、養子を戦場で失います。 その呆然と、敗戦の衝撃が、彼を激しく動揺させ、上記のような歌が詠まれたものと推測しま...
文学

身はいかに

身はいかに なるともいくさ とどめけり ただたふれゆく 民をおもひて 今日は67回目の終戦記念日ですね。 冒頭は、敗戦直後の昭和天皇の御製です。 わが国と世界の繁栄を祈念いたします。
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