2012-11-08

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文学

ユーモアあふれる乾いた作風の小説が特徴の小林恭二が、「父」というシリアスな私小説風の物語を書いています。 父親は一高から東大を出て、神戸製鋼の重役にまで上り詰めたエリートです。 しかし、小林恭二の筆致は終始醒めています。 父親は、最晩年、ブロン液や風邪薬などを大量に服用し、意識を朦朧とさせたまま、最後の日々を過ごしました。 その姿は壮絶です。 息子たる小林恭二は、そんな父に対し、心にシャッターを下ろしてしまいます。 心にシャッターを下ろしたと豪語しながら、一方、父親の死に対して完璧に無罪な息子など、この世には存在しない、と複雑な父子関係を吐露します。 薬剤で朦朧となった父親を眺める作家の姿は、醒めているだけでなく、どこか悲しげです。 私は父に対し、心にシャッターを下ろしたことなど一度もありません。 私は30代半ばになって精神障害を患った時も、父は私を心配して精神科の診察に立ち会ってくれたり、奈良や京都に大名旅行に連れて行ってくれたりしました。 私の文人風の才能を最も愛でてくれたのは、親族中で父だけであったと、確信しています。 それだけに、父の死は堪えました。 この世を構成すべき重要な一...
社会・政治

オバマ再選

オバマ大統領、再選されましたね。 現職が強いというのは、米国大統領選挙の伝統のようなもの。 順当な勝利でしょうね。 オバマ大統領、核兵器の無い世界を目指すと演説して、ノーベル平和賞をもらいました。 しかしその内容は、世界中のあらゆる国家が核兵器を放棄したなら、米国も放棄する、といった内容のもの。 実質的には、米国は死んでも核兵器を手放さない、と宣言しているようなものでした。 そのような演説を根拠としてノーベル平和賞を与えるということは、ノーベル平和賞は常に西側先進国の利益になるような発言や行動を取った者に与えられる、極めて偏った賞だと言わざるを得ないでしょう。 それにしても、孔士平和賞、どうなっちゃったんでしょうね。 その後全くニュースにならないのでわかりません。 民主党は伝統的に大きな政府、手厚い社会保障、じゃぶじゃぶの公共投資などが得意技。 共和党の小さな政府、何事も自助努力という発想とは正反対です。 外交的には、共和党は概ね日本重視、民主党は中国重視でしたが、最近の中国の急激な軍拡や海洋拡大路線を見ていると、民主党といえども中国重視とばかりは言っていられないでしょう。 戦前、わが...
文学

濁れる水の流れつつ澄む

昨夜、私が出演しているNHK松山放送局の番組「しこく8-濁れる水の流れつつ澄む」のDVDが送られてきました。 11月2日に四国で放送されたものです。 竹中直人が種田山頭火を演じつつ、狂言回しのような役割を担っていました。  私の出番は真ん中くらいでインタビュー場面、終わりのほうで出勤準備をしながら少し山頭火の句について話す場面です。 テレビに映った自分を見るのは初めてですが、なんだか元気が無いというか、覇気が無い感じがしましたねぇ。 自分では元気いっぱいのつもりだったんですが。 あれじゃあ、いつまでも病み上がり扱いなのも頷けます。 ディレクターから電話があって、うつ病を患ったサラリーマンが出ていることが、現代のストレス社会を反映していてたいへん好評だったとか。 そのため、現在、全国放送に向けて鋭意準備中だそうです。 放送日が決まったらまた電話くれるとのことでした。 早速DVDを焼いて日曜日にでも実家に持って行こうと思っています。 母も父を失くして元気が無いようですし、兄は11月29日に迫った亡父の本葬の準備にかかりきりのようですから、少し気分転換してほしいと思っています。 それにしても...
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