文学 冬を詠む
首都圏に住んでいると実感できませんが、今年の雪国はこの時季としては例年の3倍も降って難儀しているそうですね。 年配の方が屋根に登って雪おろしをしている姿は痛々しいばかりです。 同時に、冬場ほとんど雪が降らない地域に生まれ育ち、今も住んでいる幸運を感じます。 梅の花 それとも見えず 久方の 天霧る雪の なべて降れれば 「古今和歌集」に見られる和歌で、よみひとしらずとなっています。 大雪が、白梅が散っているように見えるという優雅な歌ですが、これもおそらくは近畿地方の、あまり雪が降らない場所で、雪が降ってはしゃいでいる様子が感じ取れます。 首都圏でも5センチ程度の積雪でニュースでは大雪と騒ぎ立て、電車は止まり、人々は転んでけがをするというわけで、雪の少ない地方では、雪が降るとお祭りのようにはしゃぐ風習が見られます。 雪降れば冬ごもりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける 紀貫之の和歌です。 またもや「古今和歌集」から。 春にしられぬ花、というのは、雪がうっすら積もった樹木の様子を花に見立てているものかと思われます。 ここでも、雪にはしゃぐ様子が見てとれます。 山里は 冬ぞ寂しさ まさりけ...