2013-03

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思想・学問

犀の角

今日もまた、引きもきらぬ俗物どもを相手に、つまらぬ仕事で一日を過ごしました。 連中から見れば、当然私もくだらぬ俗物ではありましょうけれど。 人が職場で過ごす一日は、言ってみれば嘘八百を並べ立て、脅してみたりすかしてみたり、誠に愚かな猿知恵で日々を暮らしているものだと実感します。 霊長類なんて偉そうに名付けてはみたものの、およそ自然界を見回して、猿とその子孫ほどくだらぬ欲望にうつつをぬかし、馬鹿げた権力闘争を繰り返している生き物もおりますまい。 はるか室町時代、「閑吟集」に見られる歌謡に、 人はうそにてくらす世に 燕子が実相を談じ顔なる という文句が見られます。 全くそのとおり。 人が嘘八百を並べて俗界を生きているのに比べ、燕はその鳴き声でこの世の真実を語り合っているように見えるというわけです。 「閑吟集」という書物、なかなかシニカルで、この世の真実の裏の裏を突いているようで、興味深いものです。 それにしても、人はなぜこの儚い世に生まれ、限りある命を使って、出世やら、女性であれば子どもがいるかいないかとか、他人より優位に立ちたいと思うのでしょうね。 お釈迦様は己と仏法のみを光とし、犀の角...
散歩・旅行

花見というほど大げさなものではありませんが、午後、少しだけ桜がある近所の公園を散策しました。 どんよりと曇って寒々しく、人もまばらでしたが、桜はまさに今が見ごろ。 見事に咲き誇っていました。 私は毎年満開の頃、ワンカップやビールを買い込んで花見を楽しんでいますが、今日はなんだかそんな気になれません。 例年だと4月の上旬、新年度を迎えて多少の高揚感をもって花見を楽しんでいたところ、今年は年度末に重なり、いつもそうなのですが、年度末というのは精神が不安定になり、花の下で酒を飲もうという気持ちになりません。 今年の早すぎる桜の開花が恨めしく思えます。 桜といのは不思議なもので、わが国では桜は死の観念と結びついているせいか、桜を観るたび、来年もまた桜を観られるだろうか、もしかしたら不慮の事故にでも会い、これが今生最後の桜になるかもしれない、という不吉な思いに駆られます。 とくにうつ状態が激しく、希死念慮に悩まされていた時はそうでした。 桜を観たから、そろそろいいだろう、と考えてしまうのです。 それでもやっぱり死ぬのが怖くて、生きながらえてしまいました。 でも精神障害に対する差別や偏見は今も根強...
文学

憂悶

今年はばかに春の訪れが早いようで、もう桜が満開です。 私はといえば、相も変らぬ俗事にかまけ、せっかくの週末、花見に出かけることもままなりません。 来週末、花が散り乱れているであろう頃に、花見に出かけようかと愚考しています。 せめてはかねて愛吟しながらあまりこのブログで取り上げなかった詩歌でも紹介しましょうか。 あはれなり わが身のはてや あさ緑 つひには野べの霞と思へば 新古今和歌集にみられる小野小町の歌です。 野べの霞とは、一般的に火葬の際の煙がたなびく様と解されています。 絶世の美女と呼ばれた小野小町も年老いて、春愁とともに世の無常を詠みこんだものと思われます。 次はいっそ思い切り美的な西行法師の春の和歌を。 春風の 花を散らすと見る夢は さめても胸の 騒ぐなりけり 桜が散るさまの美しさを、これほどの烈しさでもって詠んだ歌も少ないでしょうねぇ。 父は西行法師に憧れていたようですが、私はその歌の烈しさと、美を追求する執念みたいなものが、なんとなく怖ろしく、単純に西行法師に憧れるような気持ちにはなれません。 歌がうま過ぎるのと烈しすぎるので、おそらく平安末期の歌詠みからは嫌われていたん...
仕事

人事

私は自宅のパソコンから職場のネットワークに入ることができるよう設定しており、メールチェックなどしました。 そこに4月1日異動の一覧が。  あっと驚く人事もあれば、まぁ妥当だろうなという人事もあり、関係者一同一喜一憂していることでしょう。 私は異動ではありませんでした。 今の部署に来て丸2年。 普通3年勤めることが多いので、予想どおりでした。 そうかと思えば2年で異動する者もおり、同じ部署に9年目に突入というツワモノもいます。 おそらく引き受け手がみつからないんでしょうねぇ。 私は三度も半年以上の長期病休暇を取ってしまったせいで、昇任が遅れに遅れており、今回、初めて直属の上司が年下になります。 それも6歳も。 考えてみれば、私と同世代の職員は軒並み私より職階が上になりました。 ああしてこうしてこうなった、ということは自分が一番よく知っており、別段不満に思うこともありませんが、私の上司になる人が可哀そうですねぇ。 知識も経験もはるかに上で、しかも生意気で小うるさい年上の部下を持つのですから。 よほど変なやつで無い限り優しく接しようと思っていますが、ちょっとでもおかしげなことを言い出したら、...
映画

ストロベリーナイト

なかなかの和製サイコ・サスペンスを鑑賞しました。 「ストロベリーナイト」です。 少女時代、連続性的暴行事件の被害者になり、その時親身になって世話してくれた女性警察官が犯人を捕まえようとして殉職したことがきっかけで刑事になった姫川警部補を竹内結子が演じて秀逸です。 物語の要所要所で被害にあった少女時代のシーンに替わり、その事件が大きく作用していることが分かります。 さらに警察内部での手柄争い、縦割りによる派閥争いなども描かれ、いかにもありそうで一層怖いですねぇ。 ある時池の近くで遺体が発見されます。 姫川警部補は池に沈める予定だったのではないかと疑い、池を捜索すると、さらに一体の遺体が発見されます。 その後今度は別の川から9体もの遺体が発見され、事件は連続殺人の様相を呈してきます。 ある刑事が、ストロベリーナイトという殺人ショーの掲示板を発見し、これと深く関わりがあると踏んで、情報屋のチンピラに身銭を切って情報収集させますが、この刑事も遺体となって発見されます。 そして、犯人は身近なところに潜んでいたことが発覚。 また、ストロベリーナイトで処刑人を引き受けていたのが、義父に何度も強姦され...
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