文学 物語作者
おっさんになると、誰もが夢や希望を失い、日々の生活に追われるようになります。 私もまた、若い頃抱いていた夢や希望や野望を忘れ、日々の雑事にかまけて時を過ごしています。 これが年をとるということなんでしょうね。 私は若い頃、物語作者でありたいと願っていました。 それは小説でも漫画でも映画でもなんでも構わなかったのですが、1人で、簡単に出来る物語制作は、小説しかあるまいと思い、徒然なるままに、下らぬ駄文を書き連ね、出版社に送ったところ、出版してみましょうということで、わずか2冊の短編集を世に問うことになりました。 中身がまずかったのか、世間が私に追いついていなかったのか、自信をもって送り出した短編集は、いずれも世間から支持されることはありませんでした。 それは別に構わないのです。 私が求めていたのは、私の美学に従った、嘘くさくて美しい、ハリボテの城を作ること。 私が無念に思うのは、私が切望したハリボテの城を作ることに成功したことが無いことです。 いかにも嘘くさい物語を紡いできたのは確かですが、それらはいずれも志の低い、小さな物語に過ぎませんでした。 今さら物語作者として世に出ようとは思いま...