2013-08-24

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文学

演説歌

わが国には、演歌と総称される歌謡曲の一分野が存在します。 しかしこの演歌というものほど、その定義が曖昧なものもありますまい。 元々は、明治時代、自由民権運動に励む人々が、一般庶民に分かりやすいように節をつけて歌った演説歌が始まりとされているようです。 その後、民謡などわが国古来の歌謡に合わせ、西洋音楽の7音階から第4音と第7音を外し、第5音と第6音をそれぞれ第4音と第5音にする五音音階を使用することから、ヨナ抜き音階と呼ばれる音階法を用いた歌謡曲が多く製作され、歌詞においては、悲恋や不倫を含めた男女の情愛、家族愛、職場での結びつきなど、広く人間の情愛を主にしたものが製作され、多くの日本人の心を捕らえました。 一方、淡谷のり子などは演歌を毛嫌いし、演歌撲滅運動などを繰り広げました。 演歌なるものが、古来からの日本人の歌謡の美意識から遠く離れていることは、少しでもわが国の古典文学を学んだ者には自明の理です。 したがって、アナウンサーなどが、「演歌は日本の心です」などと明らかに歴史的に誤った発言をすると、虫唾が走ります。 それは間違いです。 演歌なるものがなぜ現在の60代以上の人々の心をとら...
精神障害

振り返り

今日は三週間に一度の精神科の診察でした。 自覚的には完治していると思っていますので、「今、特に不安なことや憂鬱なことはなく、躁状態も5年くらい起きていない」と言ったところ、なんだか振り返りみたいな話になってしまいました。 主治医はひとしきり、職場の組織改革に伴う激務から適応障害を発症し、半年の病気休暇の後、今の職場に異動し、順調に回復していたのにパワー・ハラスメントに遭遇、弁護士を立てて謝罪と損害賠償を勝ち取るも、そのためにエネルギーが枯渇して再び病に倒れ、9か月に及ぶ再度の病気休暇、そしてリワーク・プログラムを経て復帰し、その間職場で事務体制の見直しなどを乗り切って、四年目に入って初めて成績率が「優秀」と認定されたことを回想しました。 その間、強制入院も考えたとか。 「この10年、とびおさんの人生は小説のように波乱万丈でしたねぇ」 と、言った後、 「あ、でも、書いてはいけませんよ。とびおさんは書きはじめると躁転してしまう可能性が高いですから」 と、精神科医らしい忠告を付け加えることを忘れませんでした。 確かにここまで回復するのは容易なことではありませんでした。 失われた10年とでも言...
社会・政治

世界の終わり

人間社会というのはしぶといもので、過去に何度も自然災害や戦災にあいながらも、今なお存在しています。  しかし、近くは東日本大震災、その前には原爆投下や東京大空襲に被災した人々は、世界の終わりを予感したことでしょう。  歴史に残っている災害で、被災した人々が最も世界の終わりを感じたのは、火山の噴火により町がまるごと埋没した、西暦78年の今日起きたとされる、ポンペイ最後の日ではないでしょうか。  18世紀に発掘され、その姿が明らかになった時、人々は衝撃を受けたでしょう。 すぐに小説に描かれました。ポンペイ最後の日渡辺 秀サンパウロ 後には、何度も映画化されました。 ポンペイ最後の日 CCP-201 プレストン・フォスター,ベイジル・ラスボーン株式会社コスミック出版 世界遺産となった今、お金を払えばその町並みを歩き、見物することができます。 当時、世界は狭く、地球の裏側に全く異なる文化を持った人々が存在していることなど知らず、そもそも地球が丸くて裏側があることさえ知らないわけですから、自分たちの町が土に埋もれてしまうということは、とりもなおさず世界の終わりを意味したでしょう。 不思議なことに...
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