文学 内向の世代の終わり
文芸評論家の秋山駿先生の訃報に接しました。 83歳。 いわゆる内向の世代と呼ばれる作家や作品を肯定的に捉えた人でした。 内向の世代とは、全共闘運動がほぼ終焉した1970年代前半に生まれた文学上の流行で、全共闘の失敗からか、個人の内面を深く抉ることを旨とした文芸上の思潮です。 元々は文芸評論家の小田切秀雄が、それまでわが国で主流であった左翼的で元気一杯の文芸運動が、挫折感からか、個人の内面を描くしみったれたものに堕してしまった、という否定的な意味で名付けたものです。 それを肯定的に捉えたのが、秋山駿先生や柄谷行人でしたね。 私は中高生の頃、、古井由吉、後藤明生、日野啓三、黒井千次、高井有一ら、内向の世代と呼ばれる人々の作品群にのめり込んだことがあります。 なぜかと言えば、あまり面白くは無いものの、何か、深い意味があるのではないかと感じさせる雰囲気を持っていたからです。 しかし、大学に進んで、私はそれら作品群から、急速に興味を失っていきました。 要するに、文学作品というものが根源的に持っていなければならないエンターテイメント性を無視し、まるでオナニストが自慰によって垂れ流した精液を見るよ...