2013-10

スポンサーリンク
文学

内向の世代の終わり

文芸評論家の秋山駿先生の訃報に接しました。  83歳。 いわゆる内向の世代と呼ばれる作家や作品を肯定的に捉えた人でした。 内向の世代とは、全共闘運動がほぼ終焉した1970年代前半に生まれた文学上の流行で、全共闘の失敗からか、個人の内面を深く抉ることを旨とした文芸上の思潮です。 元々は文芸評論家の小田切秀雄が、それまでわが国で主流であった左翼的で元気一杯の文芸運動が、挫折感からか、個人の内面を描くしみったれたものに堕してしまった、という否定的な意味で名付けたものです。 それを肯定的に捉えたのが、秋山駿先生や柄谷行人でしたね。 私は中高生の頃、、古井由吉、後藤明生、日野啓三、黒井千次、高井有一ら、内向の世代と呼ばれる人々の作品群にのめり込んだことがあります。 なぜかと言えば、あまり面白くは無いものの、何か、深い意味があるのではないかと感じさせる雰囲気を持っていたからです。 しかし、大学に進んで、私はそれら作品群から、急速に興味を失っていきました。 要するに、文学作品というものが根源的に持っていなければならないエンターテイメント性を無視し、まるでオナニストが自慰によって垂れ流した精液を見るよ...
社会・政治

統一と呼ばれる併合

10月3日というと思いだされるのが、東西ドイツが正式に統一したことでしょうねぇ。 時に1990年。 私は大学3年生でした。 その前の年の11月9日にベルリンの壁が破壊され、それまでであれば西ドイツへ逃れようとする東ドイツ市民は警官に射殺されていたところ、あまりの東ベルリン市民の勢いに警官もびびっちゃったんでしょうねぇ。 米ソ冷戦は半永久的に続き、ドイツが統一することなど無いと思っていたので、本当に驚きました。 本音では強大なドイツが生まれることを怖れていたパパ・ブッシュもサッチャーも苦虫を噛み潰したような顔で、「ベルリンの壁崩壊を歓迎する」なんて言っていて、表情からは全然そんなこと思っていないんだろうなと感じましたねぇ。 よく統一と言いますが、正確には、西ドイツの基本法に則り、東ドイツを西ドイツに編入した形を取っており、厳密には西ドイツによる東ドイツの併合と言うべきでしょうねぇ。 当時、東ドイツは社会主義国家の優等生と言われ、社会主義国家の中では経済状況は良好とされていました。 それでも、統一時、東西では3倍の格差があり、これが統一後、長くドイツを苦しめることになります。 旧東ドイツ国...
社会・政治

自己犠牲か、軽率か

誠に痛ましい事故が起きてしまいました。 踏切で倒れていた74歳の男性を助けようと、踏切が折りかかった線路に駆けて行き、男性を助けた40歳の女性が死亡。 しかも父親が止めるのも聞かず、「助けなきゃ」の一言を残し、父親の目の前で帰らぬ人となってしまいました。 女性のご両親、家族、親族、友人、同僚などの心中を思う時、これほどやり切れない事故がありましょうや。 近くの男性は非常停止ボタンを押したそうですが、電車は急には止まれません。 この女性の自己犠牲の精神は称賛すべきものですが、少々冷静さに欠けていたとしか思えません。 倒れている男性を女性一人の力で、電車が来る前に助け出すことが出来るかどうか、ちょっと考えれば分かりそうなものです。  後先考えずに助けたいという一心で駆けだしたのでしょうが、そのような行動は厳に慎むべきです。 出来ることは、なるべく早く非常停止ボタンを押すことだけ。 踏切が降りた線路に侵入するなど、自殺行為以外の何物でもありません。 男性が助かったのは喜ばしいことですが、そのために自分の命を危険にさらしてはなりません。 人間、事故や災害などの際、まずは自分が助かることを最優先...
思想・学問

メランコリー親和型性格と情報革命

私は長く、悲哀や憂鬱が続く精神障害に苦しみ、最近、大分良くなりました。 しかし思い起こしてみると、精神障害発症前から、いわゆるメランコリー親和型性格と呼ばれる特徴を物心ついた時から持っていたように思います。 すなわち、几帳面、完璧主義、気が利きすぎる、環境の変化に弱い、などです。 西洋において、古代にはメランコリーは否定されるべき悪しき性格特徴でした。 しかし、古代ローマにおいて、唯一、アリストテレスだけは、断片的ではありますが、メランコリー親和型性格を、天才の必須条件である聖なる狂気と呼んでこれを肯定しています。 その後も長くメランコリーは忌避されてきましたが、例えばシェイクスピアの「ハムレット」のように、常に憂愁に囚われている貴種を主人公としたり、さらにはロマン主義がにわかに起こり、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」など、メランコリーを正面から扱う芸術運動が勃興し、それは美術においても音楽においても見られる現象です。新訳 ハムレット (角川文庫)William Shakespeare,河合 祥一郎角川書店若きウェルテルの悩み (新潮文庫)高橋 義孝新潮社若きウェルテルの悩み (まんが...
仕事

衝撃

私たち公的機関で契約などの事務を行う者にとって、衝撃のニュースが駆け巡りました。 あるパソコン関係の代理店が廃業する、というのです。 まだ噂の段階ですが、深く職場に入り込み、ほとんど癒着とさえ言っても言い過ぎではない関係性で、かなり無理目なお願いも快く応じてくれる業者でした。 もちろん、入札になるような高額の案件では、公正な競争をしますが、100万円に満たないような、随意契約が認められている物品は、ほとんどそこに頼んでいました。 メンテナンスも完璧。 公的機関に入り込もうと虎視眈眈と狙っている業者はたくさんいますが、中には危ない会社もあるので、つい付き合いの長い業者にお願いしてしまいます。 公正な競争を前提とする公的機関の調達とは言っても、そこは人間。 互いの信頼関係は重要です。 敏腕営業マンがごっそり客を引き連れて起業するのでは、という憶測も流れています。 それならそれで新しい会社と取引すれば良いのですが、どうなるか分かりません。 しかし営業状態が悪いという話は聞いたことが無かったし、近隣の公的機関とばかり手広く商売をしていたらしいので、どうも解せません。 どうなりますことやら。にほ...
スポンサーリンク