文学 嘘
過ちて改めざる、是を過ちと謂う。 「論語」にある言葉です。 全くそのとおり、としか言いようがありません。論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)谷口 広樹角川書店 このような易しい教えに満ちた「論語」こそ、道徳の教科化にあたって、その柱にすべき、大中華帝国の偉大な教えであろうと思います。 ついでに、現在のレッド・チャイナの人々も再び学びなおすべきでしょう。 人は自己の過ちを認めたがらないもの。 世に尊敬を集める人でも、ちょっとした過ちを隠そうとして、にっちもさっちもいかないものです。 現代社会では、過ちを犯した場合、それを素直に認め、改善策を講じれば、それほど責められることはないものです。 しかしえてして、過ちを糊塗しようとしてさらに嘘をつき、その嘘をさらに強化しようとしてまた嘘をつく、地獄のような循環に巻き込まれた時、組織であれ個人であれ、真なる破滅を迎えるものと思います。 夢野久作という、今では忘れ去られてしまったかのような感がある戦前の作家が、「少女地獄」と言う佳品を残しています。 誰からも好かれたいと願う若い看護婦が自殺するところから物語が始まり、残され...