文学 秋雨
今朝はひどい雨で、通勤の車から見る街はけむって見えました。 気温も低いし、よっぽど休んでしまおうかと思いましたが、気を取り直して無事出勤いたしました。 白露の 色はひとつを いかにして 秋の木の葉を ちぢに染むらむ 古今和歌集にみられる藤原敏行の歌です。新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)高田 祐彦角川学芸出版 雨の色は一つなのにどうして秋の木の葉をこのように様々な色に染めるのだろうという、色彩感覚豊かな幻想的な歌ですね。 車から見る秋の木の葉に、このような幻想を見ることも無い無粋な私ですが、雨をただ鬱陶しいと思わず、それもまた秋の風情と思えば、少しは慰めにもなりましょうか。 傘もささず、ずぶぬれになりながら、しかもゆっくり歩いているサラリーマンを見かけました。 彼は何を想い、あるいは無念無想であのように濡れながら平気な顔そいてあるいていたのでしょうね。 不思議な光景でした。 あるいは件のサラリーマン、この世の者ではないのかもしれません。 ずぶれて犬ころ 24歳で早世した自由律俳人、住宅顕信の句です。ずぶぬれて犬ころ住宅 顕信,松林 誠中央公論新社 この人はあまたの時に...