2014-10

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文学

物語の真実

時折、なんということもなく、来し方を思い、また今の状況を考え、憂いを帯びることがあります。 中年なればこそ、若い日の愚行は、愚かゆえに懐かしくも感じるもの。 しかし40代半ばの今も、愚行を繰り返して生きていることに変わりはありません。 ただ、愚かさの上に常識の仮面をまとっただけのこと。 時間というのは不思議なもので、確かに起きたことなのに、あらゆる事実が歪められ、あるいは誇張され、また、忘れ去られていきます。 だからこそ歴史学なる学問が生まれ、歴史学者は考古遺物や古い文書などを手掛かりに、昔の姿を再現しようと努めるのでしょう。 しかし、それが確かにそうだったかどうかなんて、分かるはずもありません。 なんとなれば、私たちは半日前のことですら、精確に再現することは出来ないからです。 最近朝日新聞が、従軍慰安婦は旧軍が組織的・強制的に行ったものだとする30年も前の記事を訂正しました。 そういう事実はなかった、あるいはあったかもしれないが確たる証拠はない、と。 その一事をもってしても、過去、この世で行われたことを精確に知ることはできないと得心がいくでしょう。 ゆえに私は、繰り返し、真実は物語の...
文学

テロリストの詩

我、その時を待ちわびたり。 時満つれば、その時が来たらむは必至なればなり。 我が一日千秋の思いで待ちたるは、現世の終末に他ならず。 義務たる教育を受けし折、日輪はやがて牙をむき、我らの住みたる世界を飲み込み、生きとし生けるものは滅するが必定なりと教わりし。 そを知りたる日の幸いは、言の葉にならず。 ただ我、夢見の心地して、如何にして日を過ごしたか定かならず。  しかれども、我が存命のうちにその時が来たらむべくもなきことを知りたり。 日輪の時は悠久にして、我らの時はあまりにも短かければ、日輪の怒り爆発すを待つは、釈迦の説く劫にも等しき時が経るを待ちたる他なし。 我が嘆き筆舌に尽くし難し。 嘆き、にわかに怒りに変じ、我が怒髪は天を突く。 ならば取るべき道は唯一つ。  願いを成さんに、我が力と謀をもって、生きとし生けるものに引導を渡すべからず。  これ、我が宿願にして、テロルに深く共鳴したる所以なり。 我、而していわゆるテロリストと呼ばれたり。 しかれども我に思想信条のあるべきか。 ただ破壊の王たるを願うのみ。 砂漠の国に出向きて破壊を為し、駅舎空港、人の集まりたる場所に出向きて火薬を揮う。...
その他

それでも僕は夢を見る?

ちょっと前に評判になった、「それでも僕は夢を見る」という漫画を読みました。それでも僕は夢を見る鉄拳文響社 受験に失敗し、就きたい仕事に就けず、縁あって会社員になり、心機一転、出世を目指しますが、何をやっても駄目で、出世することもなく、好きな女性には振られて、というしんどい人生を生きてきた男が、身寄りも友人もないまま死の床につき、人生を回想するものです。 彼が若かりし頃、擬人化されたユメが彼に寄り添い、能天気に彼を励まします。 最初は彼もユメに鼓舞されて、恋に仕事に努力しますが、何をやってもうまくいきません。 そして彼は、盟友であったユメを捨ててしまいます。 その後さえない人生を独りで生きて、今、病院で虫の息。 医師はもって3日という見立てをします。 彼が思い出すのは、盟友のユメと、悪戦苦闘した日々。 辛いことばかりだったはずですが、死の床に就いた彼には、輝かしい日々に思えます。 すると、すっかり老いさらばえたユメが、何十年ぶりに彼の前に現れます。 そして、「何かやり残したことがあるんじゃないの」と発破をかけます。 しかし、死を前にして、何をやればいいんでしょう? ユメは紙と鉛筆を彼にわ...
その他

秋祭り

昨日はお隣の市で古くから尊崇を集める神社の例大祭に繰り出しました。 神輿に山車、ひょっとこにお稚児行列と、市内の様々な町がそれぞれに趣向を凝らして祭りを盛り上げていました。 近頃寂れた感のある市ですが、かつて譜代の殿様が治め、城下町として賑わいだ昔を思い起こさせる、たいへんな人出でしたね。 坂の多いお土地柄ゆえ、山車を引くのは困難で、だからこそ山車が祭りのメインです。 みなさん地下足袋に半被姿ですが、役員連は着流しに半被、足袋に草履といういでたちで、指揮をしたり山車のまわりを歩くだけで、引いたり押したりということはありません。 私は例によって着物に羽織姿でしたから、祭り見物の一般客に実行役員と間違われ、質問を受けること度々で、面倒くさいから役員のふりをして適当に答えておきました。 おひねりをもらうと、山車を引いている者たちがひとしきり踊るのですが、暗くなるまではこれは子供のお役目。 可愛らしいですねぇ。 可愛らしいといえば、女の子の一群が派手な着物で静々と歩く姿も映えました。 夕方4時には終ってしまうような市役所などが主催する健康的でつまらない、的屋すら出店させない市民祭りみたいな似非...
散歩・旅行

下谷散歩

三連休の初日。 好天に恵まれて、下谷から稲荷町のあたりをぶらぶら散策しました。 上野駅のすぐ近くですが、上野の賑わいとは異なり、静かな感じでした。 谷根千ほどではないにしろ、大小のお寺が立ち並び、古くから人が住んでいたのだということを実感させられました。 お寺が多いせいか、仏壇仏具を売る店がたくさんありました。 でも一番有名なのは下谷神社というのが面白いですねぇ。 多くの外国人が浅草方面へ向かって歩いていました。 秋めいてきたので、今日は着流しではなく、羽織を着込みました。 ちょっと離れたところから着物にフェルト帽の私を写真におさめる外国人もいました。 国際親善に貢献できたかもしれません。にほんブログ村 人気ブログランキングへ
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