2015-08

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文学

ヨルの綱渡り

昨夜は「告白」で大ベストセラーをとばした湊かなえのミステリーを読みました。 じつは「告白」は読んでいないのですが、映画で観て、非常な感銘を受けました。告白 【DVD特別価格版】 松たか子,岡田将生,木村佳乃東宝 昨夜読んだのは二人の仲の良い女子高生の夏休みを描いたものです。 タイトルは、ずばり、「少女」。 ブログのタイトルは、作中小説の題名です。 この二人の他に、ほとんど登場しませんが、ミステリアスな転校生がからみ、物語は重層的でいくつもの仕掛けを隠し、あっと驚く内容になっています。 転校生は、前の学校で、親友の自殺に出くわします。 遺体の第一発見者になってしまったことにより、人の死ということに関し、愁いを帯びた口調で語ります。 それを聞いた二人は、猛烈に人の死に、それも死ぬ瞬間に立ち会いたいと願います。 夏休み中、一人は老人ホームでボランティア活動をし、一人が読み聞かせのボランティアで訪れた病院で難病の少年と知り合い、交流を深めます。 その中に恋愛めいたスパイスを効かせつつ、誰もが一癖も二癖もある人物であるということが分かり、終盤、予想もしなかった展開を見せます。 もちろん、中心とな...
その他

酷暑

今日も暑い中、だらだら仕事。 どうもやる気がわきません。 もっともこの23年と数か月、やる気に満ちていたことなどただの一度もありませんが。 それにしても今年の暑さ、尋常ではありませんねぇ。 体力を消耗すること著しい。 かつて太平洋の島々で、ジャングルのなか、酷暑に耐えながら戦った兵隊さん、敵も味方も双方に頭が下がります。 8月はやたらと感情的な戦争の番組が流れて不愉快です。 特に今年は戦後70年とかで、よけいひどいように思います。 風化させてはいけないと言いますが、時の流れとともに風化するのは当たり前のことで、風化を怖れたって無駄なことです。 必ず風化するし、現にしています。 応仁の乱が悲惨だったからとか、後三年の役がひどかったからと言う理由で今現在の危機を避けることはできません。 自然災害だって殺し合いだって、避けがたく起きてしまうものです。 もちろんそれを避ける努力は必要ですが、その努力は、自然災害であれば訓練や防災対策に、殺し合いであれば利害の調整に向けられるべきで、過去の出来事の悲惨さを訴えることは、まったく意味をなしません。    マスコミには冷静というより冷酷なくらいに、過...
その他

退院

昨日は同居人が退院のため、休暇を取りました。 9時半から手続きを始めて病院を出たのが10時40分。 同居人は背中をかがめて、すり足でしか歩けません。 姿勢の悪い能楽師のようです。 昼、行きつけのイタリアンでお祝いしました。 私だけ、昼から生ビールを飲みました。 同居人はサラダとパスタと飲み物のセットを頼みましたが、完食はならず。 体力も相当落ちているようです。 8月いっぱいは自宅療養ですので、少しづつ、回復してくれれば良いと思っています。 私は仕事。 夏なのに変に忙しくて参ります。
文学

トンデモドクター、大活躍

昨夜は冷酒をちびちびやりながら、デブで幼児のように天真爛漫な精神科医、ドクター伊良部が活躍する、「空中ブランコ」を楽しみました。空中ブランコ (文春文庫)奥田 英朗文藝春秋 以前読んだ「イン・ザ・プール」の続編です。イン・ザ・プール (文春文庫)奥田 英朗文藝春秋 伊良部総合病院の跡取り息子、伊良部先生は一風変わった精神科医。 総合病院の暗い地下の診察室で、患者を待ち構えています。 患者が来ると、まずはビタミン注射。 打つのはミニスカートに胸の開いた白衣を着たクールなナース。 伊良部医師、注射を打つのを観るのが大好きな注射フェチなのです。  某サーカスで空中ブランコのエースを張っていた男が、失敗を積み重ねるのを苦に来診したり、ゴールデングラブ賞の常連の名野手が暴投ばかりするのに苦しんだり、恋愛小説のカリスマが創作に悩んだり、それぞれに深刻な悩みを抱えて伊良部先生の元を訪れますが、伊良部先生は能天気。 しかし逆説的な方法で結局は解決してしまうところをみると、伊良部先生は名医なのかもしれません。 ユーモア小説とはかくあるべし、というような、愉快な短編集です。 自分の悩みは深刻でも、他人の苦...
文学

嗤う

最近お気に入りの奥田英朗の小説を読みました。 「最悪」です。最悪 (講談社文庫)奥田 英朗講談社 町工場の社長、20歳のチンピラ、銀行に勤めるOLの3人の物語が交互に綴られ、大団円に向かって一つの事件に繋がっていくというミステリーです。 この作者、ユーモア小説からミステリーまで、幅広い守備範囲をお持ちで、しかも読みやすい文体で豊かなストーリーを紡ぎだせる稀有な才能をお持ちのようです。 誠に羨ましいかぎりです。 かつて小説家を目指していた私は、長いこと古典以外の小説を読むことが出来ませんでした。 嫉妬してしまうからです。 しかし長い精神障害のトンネルを抜けて、やっと素直に現代の優れた小説を楽しむ心の余裕ができました。 それは多分、諦めなんていう生易しいものではなく、私の人生が精神的に大きな転換を迎えたためだろうと思っています。 精神障害に対する差別はなお根強く、この先職場で出世する見込みはなく、小説家目指して大博打を仕掛けるタイミングはとうに失いました。 客観的には、堅い仕事に就いて、結婚もし、マンションも買いと、望む物は全て手に入れたように見えるかもしれません。 しかし主観的には、私は...
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