2016-05-07

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文学

田舎町の人情喜劇

奥田英朗の連作短編集「向田理髪店」を読み終わりました。 かつては炭鉱で栄えながら、今はすっかり寂れてしまった北海道の田舎町が舞台です。 当然、夕張市がモデルと思われます。 理髪店の主人を主人公に、いずれも幼馴染のガソリンスタンド経営者や役場の課長などが登場し、コミカルに様々な騒動が繰り広げられます。 札幌でサラリーマンをやっている息子が家業を継ぐといって帰ってきたり、40男が中国の田舎から嫁をもらいながらお披露目をするのを頑なに拒んだり、、赤坂でホステスをやっていた女が帰省して新しくスナックを開き、町中の中年男が色めきたったり、映画のロケ地になったり、町出身の青年が東京で詐欺事件を起こして逃げてきたり。 寂れた田舎町とは言ってもそこは人が住む町。 必ず何事かが起こります。 寂れた元炭鉱町が舞台とはいえ、どこか明るく、楽しげです。  私は東京と千葉にしか住んだことがありません。 旅行で田舎に行くことはあっても住んだことが無いので、実状はよくわかりませんが、その私ですら、いかにも存在しそうな感じがします。 そこが作者の腕なのでしょうね。 寅さんの田舎版と言ったところでしょうか。 楽しい人情...
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