2017-12

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文学

追われる

師走も4日目を迎えました。 今のところ寒さはそれほどでもありませんが、なぜか気が急く月ですね。 うしろから 追はるゝやうな 師走哉 正岡子規の句です。 師走の慌ただしい感じがストレートに表現されています。子規句集 (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店 今上陛下のご退位が再来年の4月末と決定し、平成の御世も残りわずかとなりました。 そのことも、なんとなく気持ちが焦る要因になっているのかもしれませんね。 私は昭和44年の生まれ。 平成の御世が始まった時、大学生でした。 世はバブルのまっただ中。 私はバブルに浮かれる人々を、冷ややかに見ていました。 その後バブルの反動か、20年以上に及ぶ冬の時代が続いています。 最近は景気が良いと聞きますが、給料が上がらないのでそんな実感はありません。 次の元号がどんなものになるのかはまだ分かりませんが、3つの時代を生きることになるのは間違いなさそうです。 もしかしたら、4つの時代になるかもしれませんね。 皇太子殿下は私より年上ですし。 なんだか無駄に歳月を過ごしてきたような気がします。 目の前の為すべきことを、ただ機械的に為してきただけのような。 多分これからも...
文学

Nのために

今日は静かに読書をして過ごしました。  湊なかえの「Nのために」を読みました。 知りませんでしたが、ドラマ化もされているんですね。Nのために (双葉文庫)湊 かなえ双葉社【Amazon.co.jp限定】Nのために DVD-BOX(コースターセット付)榮倉奈々,山本剛義,阿南昭宏TCエンタテインメント 高級高層マンションで、夫婦が殺されます。 その現場に居合わせた人たちが、それぞれ一人称で事件について語る、という構成になっています。 第一章では、警察の質問に答える形で、それぞれの証言の食い違いはありません。 しかし第二章以降、現場に居合わせた者たちが、真相を語りだしたとき、警察に話した内容とは全く異なる事件の全容が明らかになります。 一人称ですから、当然、主観で語られます。 そうなると、同じ事件が異なった様相を呈します。 ちょうど、芥川龍之介の「藪の中」のように。藪の中 (講談社文庫)芥川 龍之介講談社 それぞれの生い立ちなども判明し、読後感の悪い作品になっています。 Nとは、登場人物6人全員を指しています。 6人ともが、苗字か名前のイニシャルがNなのです。 それぞれが、自分とは違うNの...
思想・学問

人間以上

五千円札で知られる新渡戸稲造。 彼がクリスチャンであったことは有名ですが、神秘主義的な側面を強く持っていたことはあまり知られていないのではないでしょうか。 彼がキリスト教に入信したころ、神というものをどう捉えればよいのか悩んだと伝えられますが、「神の存在と霊魂の不滅であるが、この事は唯信ずべきものにして、二十年考えても、二千年考えても、解することのできぬものである」というキリスト教神秘主義の言葉に出会い、悩みは氷解したそうです。 イワシの頭も信心から、と言いますから、信じるほかない、と達観したんでしょうかねぇ。 また、彼はキリスト教神秘主義と東洋思想との一致を見出し、「必ずしも神と限るものではない。仏教の世尊でも、阿弥陀でもよい、神道の八百万の神でも差支えない。(中略)ただ人間以上のものがある。そのあるものと関係を結ぶことを考えれば、それでよいのである」と述べています。 そして彼は、亡くなった祖父の伝言を仲介者と称する巫女から聞いたり、交霊会に出たりして、神秘主義的な傾向を強めていきます。 ついには、神の証としての光・声・言葉を見たり聞いたりすることが出来たと言います。 後には、小宇宙...
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