2020-03-29

スポンサーリンク
文学

赤き死

今、世界はコロナで大騒ぎ。 私の職場でも、会議はすべてメール審議で、一部の職種では在宅勤務が認められています。 学生の頃、エドガー・アラン・ポオの「赤死病の仮面」を原文で読む、という講義を受けました。  先生はインド哲学者で、食うために色々な大学で非常勤講師として英語を教えている、学者ゴロみたいな人でした。 講義中、先生は不謹慎な発言をしました。 「赤死病の仮面」は、黒死病(ペスト)をモデルにした小説にからめて、伝染病の話を始めました。 先生の説によると その先生が、講義中、不謹慎な発言をしました。 すなわち、伝染病は増えすぎた人類を淘汰するためのもので、神の見えざる手によるものだ、というのです。 したがって、伝染力が強く、致死率が高いほど良い病気だ、とも。 今、新型コロナの大流行を見て、先生の言葉を思い出しました。 もちろん、先生の説には賛同できません。 しかし、30年も前の、先生のシニカルな表情を鮮明に覚えていることに慄然とします。 もしかしたら、心の深い部分で、先生の説に感銘を受けたのかもしれない、と思って。 いつ私自身が感染するかもしれないと思うと、先生の発言は真にふざけた言葉...
スポンサーリンク