
憂き人
私が双極性障害(昔で言う躁うつ病)に罹患していることは、何度もこのブログで告白してきました。 とは言っても、激しい躁状態は、一度しか経験がありません。 とにかく気持ちが高ぶって、じっとしていられない状態で、最初は病識がありませんでした。 うつ病が治ったくらいにしか。 しかし、主治医によるとそれは立派な病気で、治療をしないと大借金を負うほどギャンブルをやるか、風俗遊びに狂うか、大酒をくらうか、あるいはその全部をやるかして身の破滅を招くと言うのです。 いわゆる飲む・打つ・買うの三道楽というやつですね。 それで、恐怖に打ち震えた私は、素直に主治医が処方した躁を抑える薬を飲み始めました。 以降、躁状態は出現していません。 考えてみれば、うつにしろ躁にしろ、元々は高貴な感情ではなかったでしょうか。 うつは憂愁、メランコリー、などに通じる状態で、人間にのみ与えられたもの。 ものを考えたり感じたりするとき、人はメランコリーに沈みます。 だからこそ、哲学者はいつも難しい顔をしているのでしょう。 憂愁というもの、過ぎなければどこか気持ちの良いものです。 一方、躁状態にあるとき、人は立派な仕事を成し遂げた...