2020-07

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文学

三島由紀夫VS全共闘

暑いなか、久しぶりに映画館に出かけました。 観たのは、「三島由紀夫VS全共闘」です。三島由紀夫vs東大全共闘―1969-2000三島 由紀夫藤原書店 これは東大の駒場キャンパスで行われた三島由紀夫と全共闘との討論会の記録と、当時を知る元全共闘や元盾の会の人々へのインタビューで構成された、ドキュメンタリーです。 なんだかNHKスペシャルのような映画でした。 私が生まれたのは1969年。 全共闘運動華やかなりし頃で、政治の季節なんて呼ばれていたそうですね。 当然、赤ん坊であった私には記憶がありません。  しかし、自民党や米国が本気で赤化を心配するほど、運動は盛り上がっていたようです。 三島由紀夫はボディビルや剣道で体を鍛え上げ、盾の会という民兵組織まで作って自衛隊へ体験入隊を繰り返すなど、左がかった連中とは正反対の立場を貫いていました。 日本文化の源は天皇制にあると断じてもいました。 その三島由紀夫が、千人もの全共闘学生が待つ講堂に単身乗り込み、討論会を行います。 屁理屈ばかりこねまわし、時には三島由紀夫を嘲笑し、挑発する全共闘学生たち。 大学生ですから仕方ないのでしょうが、幼稚な論理です...
文学

ホトトギス

ようやっと、土曜日を迎えました。  朝は6時に起きて朝風呂。 そして朝飯。 朝酒といきたいところですが、そこはぐっとこらえて散歩に出かけました。 帰宅して、ゆっくりと、熱い珈琲を飲みつつ新聞を読みました。 もうすでに来ていると思われるコロナの第2波やら、習近平の国賓来日の話だとか、ろくなニュースはありません。 新聞に触れて、この世は苦しいことばかりなのかと嘆きます。 苦しいと言えば、精神病に悩まされていた頃、寛解にいたればすべてが薔薇色になると信じていました。 そんなはずがないのに。 病的な状態が普通に戻るだけで、普通とはかつて私が住んでいた苦界であり、そこに戻るだけのこと。 味気ない仕事と味気ないマンション暮らし。 花を愛でることも鳥の鳴き声に心躍らせることもありません。 まして歌心など。 夏草は 茂りにけれど ほとぎす などわが宿に 一声もせず 新古今和歌集に見られる短歌です。新古今和歌集―ビギナーズ・クラシックス (角川ソフィア文庫 88 ビギナーズ・クラシックス)小林 大輔角川学芸出版 今、夏の気配は濃厚になりつつあり、しかし私の住むマンションにはホトトギスの声も聞かれません。...
精神障害

ぽか休

今日はなんだか朝から調子が悪く、仕事を休んでしまいました。 ずる休みというべきかもしれませんが、調子が悪かったのは事実。  風邪を引いたとか、熱があるとか、そういうことではありませんが、体のバイオリズムというか、なにやらわけのわからぬ理由です。 こういう休み方は、どうも気分が晴れません。 思い切って出勤してしまえば、どうということもなかったのかもしれませんね。 偉いなと アリをみつめて ずる休み そんな川柳を、どこかで見た気がします。 私もアリを見つけに外に出てみましょうか。
文学

酒呑み

また一週間が始まりました。 嘆きの週頭なんていう言葉もありますが、今日はわりと調子が良かったと感じます。 昨晩の晩酌を、いつもより一杯少なくしたのが良かったようです。 酒飲みとは、お祝いだと言っては酒を飲み、不幸があったと言っては酒を飲み、嬉しいから酒を飲み、悲しいから酒を飲み、何事もなくても酒を飲むものです。 酒を呑むのに理由は要らぬ。 呑みたいだけ呑めばよい。 世に酒飲みはあまたあれど、私は若山牧水ほどの酒飲みをほかに知りません。  朝酒ややめむ 昼酒せんもなし 夕方ばかり 少し飲ましめ 朝二合・昼二合・夜6合の酒を欠かさなかったと聞き及びます。 それが節酒をおもいたったのですね。 一方で、こういうのもあります。 飲むな飲むなと 叱り叱りながら 母がつぐうす暗き 部屋の 夜の酒のいろ 相当の酒飲みです。 多くの名歌を残した歌人、酒はやめられなかったやあめられなかったらしく、42歳で早死にしています。若山牧水歌集 (岩波文庫)一彦, 伊藤岩波書店若山牧水随筆集 (講談社文芸文庫)若山牧水講談社 私は父が亡くなってから、酒ばかり飲んで食わずにいたら、24キロも体重がおちてしまいました。...
文学

逃げ恥

さっきまで、「逃げ恥」と略されるTVドラマを観ていました。 なんとなく、観るともなく観ていたら、結構引き込まれました。 新垣結衣と星野源との恋愛が主たるストーリーですが、サブ・ストーリーと言うべきものがあって、それは49歳のキャリアウーマンを演じる石田百合子と、17歳も年下の男との恋愛模様。 じつは私は石田百合子と同い年。 それもあって、サブストーリーを興味深く観ました。 アラフィフであることを理由に、17歳年下の男の熱情を断り続けるキャリアウーマン。 若さを失ったゆえの悲哀が、そこはかとなく感じられます。 私はと言えば、ずいぶん流されてしまったなと感じているということ。 学生時代は学校でふらふらと漂い、就職してからは自分を殺して厳しい社会の中を浮遊してきました それで、気が付いたら50歳になっていました。 私はかつて、若さを楽しんだことがあっただろうかという根源的な問いを、自らに課さざるを得ませんでした。 真昼日の ひかり青きに燃えさかる 炎か哀し わが若さ燃ゆ 若山牧水の若い頃の短歌です。 若さを真夏ととらえています。若山牧水歌集 (岩波文庫)一彦, 伊藤岩波書店 倉橋由美子は名作...
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