2021-01

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文学

10年の後

今日はわずかに春を感じさせる陽気に恵まれました。 私はそれを寿いで、独り、分けもなく近所を歩き回りました。 これも休日の贅沢と言うべきでしょう。 散歩は頭を冴えさせる効能があるようで、気持ちの良いものです。 しかし、苦い散歩もありました。 もう10年以上前のことになりますが、私はうつ病を患い、自宅療養を余儀なくされていました。 精神科医に散歩を勧められ、根が真面目な私のこととて、嫌々ながら毎日1万歩、歩きまわりました。 その時の精神状態は、散歩を楽しいと感じさせるような、呑気なものではありませんでした。  とはいえ、私は約8か月の療養を経て、見事に復活を遂げました。 あれから10年。 ちょうど、冬から春に向かう頃、リワークプログラムで、同じ病から脱しつつある人々と出会い、私は完治できると、心強く思うようになったことを、懐かしく思い出します。 今も、時折、それら同病人と酒を酌み交すことがあります。 10年、感慨深いものがあります。 あの頃は、人と会うのも億劫で、見舞の客にも無礼を働きました。 梅いけて 礼者ことわる 病かな 正岡子規の句です。 正岡子規は35歳の若さで亡くなっていますが、...
文学

妻は元気で

今日は同居人が日曜出勤のため、独りで過ごさなければなりません。 よく、奥さんが留守だと嬉しい、という人がいますが、私には理解できません。 休みの日は、同居人と散歩をしたり、昼酒を呑んだりすることを常としていますから。 一人でいると、碌なことを考えません。 今、年度末祭りでめちゃくちゃいそがしく、忙しさに弱い私にはしんどくて仕方ありません。 30代半ばくらいまでえは、徹夜仕事も厭いませんでした。  それが今では、夕方になると目は霞むし、何より疲れちゃって、残業に耐えられません。  鋼の肉体が欲しいものです。  あるいは、専業主婦をやってみたいと思ってしまいます。  幸い、同居人はフルタイムで働く正規雇用です。  彼女の扶養に入りたい、思いながら、同居人には言いだせずにいます。  ああ、いっそこの世からおさらばしたい。
思想・学問

ブッダ・ダンマあるいは至高体験

私は学生の頃、英国の思想家にして神秘主義に深い関心を寄せたコリン・ウィルソンの著作を好んで読みました。 なかでもマズローが唱えた至高体験を独自に解釈っした「至高体験 自己実現のための心理学」には感銘を受け、何度も読み返しました。至高体験―自己実現のための心理学 (河出文庫)コリン ウィルソン河出書房新社 至高体験とは、なにも神秘主義的な体験ではありません。 例えば晴れた土曜日の朝に感じる、何事にも代えがたい幸福感に包まれた感じとか、分かりやすい言葉で解説さあれています。 しかしそこに至るには階段を上らなければなりません。 これは健康な人が感じる幸福感で、マズローはこの至高体験を繰り返して生きることを良しとしました。 当たり前といえば当たり前ですが。 マズローは至高体験に至る道を、5段階で説明しています。 すなわち、①生理的欲求、②安全の欲求、③所属と愛の欲求、④承認欲求、④自己実現の欲求、そして、その先にあるものこそが至高体験というわけです。 大抵の人は食えて、安全で、家族や恋人などに愛され、愛し、自れが認められれば、それでよしとするでしょう。 しかしその先には、自己実現欲求さらには至...
精神障害

さえない

やっと、週末を迎えました。 1月から3月へ向かって、忙しさは加速度をつけて突き進んでいきます。 就職してもう30年ちかくになりますが、年度末の忙しさには、慣れるということがありません。 今日は2軒の病院をハシゴしなければなりません。 内科と精神科。 内科は血圧を下げる薬と、コレステロールを下げる薬をもらうため。 朝一番で行ってきちゃいました。 精神科は予約制で、16時半の予約のため、これからです。  ただでさえ面倒くさいのに、冷たい雨が降っています。 これから雪に変わるかもしれないという予報。 なんだかさえない週末です。
その他

会議室が寒い

昨日は久しぶりに対面での会議がありました。 窓もドアも開け放ち、寒風が吹きこんでくるなかでの会議。 しかも、長い。 コロナの影響で、会議と言えばオンラインになってしまったのですが、昨日は重要事項を決めるとあって、対面としたのです。  コロナの前に風邪をひくわい、と思いました。 しかし今は、風邪をひくことすらできません。 やれ2週間の自宅待機だの、PCR検査だのと、大騒ぎになってしまいます。 人間は何度も感染症の流行に悩まされてきました。 ペストだの、コレラだの、スペイン風邪だの。 そのたびに、多くの死者を出しながら、人類はしぶとく生き抜いてきました。 コロナもそれら感染症と同様に収まる日が来るものと思いますが、まだ1年や2年は続くような気がします。 そしてコロナ後、元の世界に戻ることはありますまい。 オンラインによる会議やミーティングが、むしろ当たり前になり、対面での会議はごくわずかになるでしょう。 オンラインのほうが楽ですから。 私のようなおっさんには、この変化、あるいは進化が大層ストレスです。 ZOOMだのWEBexだの、いくつもの種類のオンライン会議のためのツールがあり、それらを...
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