
滅ぶ
SEKAINO OWARIというバンドがありますね。 中二病を地で行くような名前です。 縁起でもないと言えばそのとおりです。 しかし、全世界が破滅する、という観念には、どこか人を浮かれさせる作用があるように思います。 滅ぶということ。 誰でしたか、自滅を美とせず、と書いた小説家がいました。 それは自滅を美と感じる人が多いからこそでた言葉。 自滅を美としない人が圧倒的に多かったならば、わざわざ書くこともありますまい。 三島由紀夫は、破滅に向かってまっしぐらに突き進む姿こそ美しい、という意味の言葉を残しました。 私もまた、破滅ということに、どこか浪漫的な美を感じてしまう不届者の一人です。 しかしそれは、観念の遊びに過ぎません。 やったことはともかく、ナチのファッションや深夜の集会などは、美的であったと感じます。 そしてまた、ヒトラーは、我々は世界を焼き尽くす、と、中二病のようなことを言っています。 世界の終わりという観念が人を浮かれさせたとしても、それが現実のものになろうとした時、人々は全力でそれを阻止しようとするでしょう。 多くの国がナチの滑稽とも言うべき野望を打ち砕いたように。 今...