
恨み
酒は百薬の長ともキチガイ水とも称せられます。 私はかつて毎晩欠かさず晩酌をやっていました。 ところが最近、あまり酒を呑まなくなりました。 とくに平日は呑むことが無くなりました。 そういう年回りなのか、仕事が忙しく、疲労困憊で帰宅して、晩酌などやる気が起きず、飯を食ってさっさと眠ってしまいます。 おかげで一時悪化していた肝臓の数値も良くなりました。 その代わり、多量の珈琲を飲むようになりました。 酒がダウン系の麻薬だとすれば、珈琲はアッパー系の麻薬のようなもの。 アルコールで頭を濁らせるのも快感ではありますが、カフェインで頭をしゃっきりさせるのもまた別の意味で快感です。 そのうちほとんど酒を呑まなくなるのかもしれません。 酒で身を持ち崩した人は数知れず。 石原裕次郎しかり、美空ひばりまたしかり。 中島らもはアルコール依存症だったそうです。 しかし私は、明治から大正にかけて活躍した若山牧水ほどの大酒呑みを他に知りません。 この人、朝2合。昼2合、晩は6合もの酒を欠かさなかったと伝えられます。 毎日一升。 そのせいで、42歳の若さで亡くなってしまいました。 あれほどの秀歌を残した偉大な歌人で...