
年寄にこそ
師走。 久しぶりに魚屋に寄ったら、冷凍のカニやらイクラやら新巻鮭やら、正月っぽい物が売り場に多く並べられるようになりました。 そういう風景を見ると、年の瀬が近づいたことを実感します。 そういう物を見ると、なんとなく、近い過去を思い返したりします。 4月、私は新しい部署に異動しました。 仕事は猛烈に忙しいのですが、これも年まわりのせい。 部下の管理と上司からの圧力に負けそうになりながら、精神病薬の力を借りて、働き続けました。 不思議と、あまり憂鬱になることはありませんでした。 このまま定年まで働いて、年金暮らしになるのでしょうが、安定だけを求めた社会人生活です。 安定してはいますが、少しも面白くない仕事に、よくも30年もしがみついていたものです。 結局、怖かったのだと思います。 世間では高齢ニートだとか、引きこもりだとか、子供部屋おじさんだのという言葉を耳にします。 そういうものになるのが。 そしてコロナで外出の機会は減り、義母の我儘は激しく、人生半ばを超えて、楽しいことは減っていくようです。 考えてみれば、赤ん坊の頃は祝福され、幼稚園、小学校くらいまでは甘やかされて育ちました。 中学、...