
予感
同居人と出会ってから32年、結婚してから25年が経とうとしています。 楽しい時を一緒に過ごしてきました。 その間、ずうっと続いていた同居人への不満は、彼女が極めて自己肯定感の低い人だということです。 私は男であれ女であれ、傲慢なくらい自信に満ち溢れた人を信用する傾向があります。 なぜなら私が傲慢だからです。 自己に自信が持てなくて、なぜ人を尊重することができるでしょうか? 自分が掛け替えのない存在だと思うからこそ、他人もまた同様に、それぞれに掛け替えの無い人だと思うことが出来るのです。 だからこそ、自信が無い人や自己卑下をする人が嫌いなのです。 他のことはともかく、同居人の自己卑下や自信の無さは、私にとって耐えがたいものでした。 もちろん、他に美点があまたあるからこそ、今まで大過なく一緒に暮らしてきたことも事実です。 私が時折そのことを指摘すると、彼女は必ず親に恵まれなかったと言います。 真っ当なサラリーマンと専業主婦の奥様、二人に大事にされながら何をほざいているのかと思ってきました。 しかし義父が亡くなり、義母が施設に入所するにいたり、彼女の母親はいわゆる毒親だったのだと気付かされ...